Eclipse、クラウド開発のためのIDE「Orion 8.0」をリリース
Webブラウザ上で動作する統合開発環境(IDE)を開発するEclipse Orion Projectは2月27日、最新版となる「Orion 8.0」をリリースした。言語ツールの強化とOrionサーバーの可用性強化が大きな特徴となる。
OrionはWebブラウザ上でのソフトウェア開発を実現するIDEで、エディタやレポジトリ操作などの機能を提供する。Webブラウザさえあればいつでもどこでも利用できる、というクラウド開発を支援するもので、Eclipse Foundationの下で開発が進んでいる。ライセンスはEclipse Public Licence(EPL)。
Orion 8.0は2014年11月に公開されたバージョン7.0に続く最新版で、JavaScript/CSS/HTML開発の強化とOrionサーバーの可用性にフォーカスしているという。開発言語関連では、エディタでツールチップのようなホバーを提供する「orion.edit.hover」APIを導入した。リッチHTMLコンテンツや詳細情報を表示できるもので、JavaScriptとCSSツールで実装されている。
また、ホバーを利用して、「よくあるコーディングの問題」を自動解決する「Quick Fixes」も導入された。ホバーから問題解決のリンクを表示できるもので、今後解決できる問題の拡充やAPIなどを強化していく。また、ソースファイル間のナビゲーションを改善するセマンティックファイルも導入した。
サーバー側では、クラスタリング対応により可用性を強化した。これにより、トラフィックが多いサイト向けに同一のOrionワークスペース上で複数のOrionインスタンスを動かすことができるようになった。また、スタンバイインスタンスを動かすことができるため、障害対策やダウンタイムなしのアップグレード用途としても利用できるという。
また、検索インフラも書き直され、これまでのサーバーサイドのクローラーを置き換えた。検索に要する時間が長くなる一方、精度は改善されるとしている。正規表現のサポート、大文字と小文字の区別も可能となった。
Eclipse Orion
http://eclipse.org/orion/