Eclipse、Webブラウザ上で動作するIDE「Orion 7.0」をリリース
Eclips Orion Projectは10月30日、Webブラウザ上で動作する統合開発環境(IDE)「Orion 7.0」をリリースした。Gitの主要機能を利用できるGit UIが完成したほか、ヘルプシステムが一新された。各種言語向け支援ツールも強化されている。
Orionはオープンソースの開発プラットフォーム。Webブラウザ上で動作するコードエディタやレポジトリ管理ツールといった機能を備えている。Eclipse Foundation傘下のプロジェクトとして開発が進められており、Eclipse Public Licence(EPL)で公開されている。
Orion 7.0は、7月に公開されたバージョン6.0に続く最新版。6.0で開発に着手したGit UIが完成した。Gitの主要な機能へのアクセスが1ページに集められ、容易に各種操作を実行できる。このUIは2ペインレイアウトを持ち、左ペインからコミット履歴の閲覧やフェッチ/マージ/プッシュなどの操作を実行できる。また、新たに「Sync」として、ローカルリポジトリを指定した参照先と同期させるボタンも加わっている。右ペインでは、コミットの詳細内容やコミットに対する操作を実行できる。
そのほかの新機能として、グローバルサーチUIがある。これは、今まで別に表示されていた検索ページをエディタ内で直接表示するよう変更したもので、ページ間の移動なしに作業を実行でき、開発効率を改善できるとしている。
言語関連ツールでは、CSSとJavaScriptを中心に強化した。JavaScriptでは開発支援を強化し、JSDoc形式のドキュメント情報をタグとして付加できるようになった。型検出なども改善されている。文法チェックツールのESLintはバージョン0.7.2にアップデートされた。クラウドフレームワーク「Cloud Foundry」関連機能も強化され、Cloud Foundry用のマニフェストエディタが導入された。シンタックスハイライト、エラーと警告レポート、開発支援などの機能があり、開発やデプロイを支援するという。
新しいヘルプシステムでは、シンプルなHTML5とJavaScriptで作成されたヘルプが採用された。ヘルプ全体および詳細なヘルプを2つのペインで表示する。JSPを使わなくなったことで、Orion Javaサーバーの軽量化が図れたという。
コードエディタではホバー形式でのヘルプ表示を早期サポートした。関数の上にマウスを重ねるとその関数についてのドキュメントが表示される。この機能は次期版でさらに強化される予定。
認証関連では、OpenIDとMozilla Personaの代わりにOAuth 2.0プロバイダをサポートした。これにより、Google PlusやGitHubでの認証が可能となった一方で、Mozilla Personaベースでの認証はサポート外となった。
Eclipse Orion Project
http://www.eclipse.org/orion/