MS Officeとの互換性を強化、プレゼンで3Dモデルもサポートした「LibreOffice 4.3」

 The Document Foundationは7月30日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート最新版「LibreOffice 4.3」をリリースした。Microsoft Officeとの互換性強化、プレゼンソフト「Impress」での3Dモデルのサポートなど多数の強化が図られている。

 LibreOfficeはOpenOffice.orgからの分岐(フォーク)によってスタートしたプロジェクト。OpenOffice.orgの開発体制に対し不満を持っていた開発者らが2010年9月に立ち上げた。OpenOffice.orgと同様、文書ファイルフォーマットとしてOpenDocument Format(ODF)を採用し、ワープロ「Writer」、スプレッドシート「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、ドロー「Draw」といった複数のアプリケーションから構成されている。なお、OpenOffice.orgを所有していた米Oracleは2011年にプロジェクトをApache Software Foundation(ASF)に寄贈、現在は「Apache OpenOffice」として開発が進んでいる。

 LibreOffice 4.3は1月に公開されたバージョン4.2に続くアップデートで、LibreOfficeプロジェクトがスタートして以来8回目のメジャーリリースとなる。本バージョンではMicrosoft Officeが使用するOffice Open XML(OOXML)形式のサポートを強化し、Officeとの互換性を改善した。OOXML Strict仕様をサポートしたほか、DrawingMLのインポート/エクスポート、ThemeフォントサポートなどOOXML Graphics関連も強化した。また、OOXMLファイル内に別のOOXMLファイルを組み込むことが可能となり、新たに30種類のExcel数式に対応した。

 互換性ではまた、BeagleWorks、ClarisWorks、ClarisResolve、MacWorks、SuperPaintといったレガシーなMac向けオフィスソフトで作成した文書ファイル向けのインポートフィルタも導入した。PDFファイルのインポートも改善している。

 プレゼンテーションソフトのImpressでは、glTFフォーマットでの3Dモデルの利用が可能になった。glTFはKhronos Groupが公開しているWebGL、OpenGL ES、OpenGL向けのランタイム用アセットフォーマット。ただし、現時点で利用できるのはLinuxおよびWindows版のみとなっている。

 また、コメントの印刷が可能となり、プリントアウト時に「Place in margins」オプションを選択すると画面に表示されているのと同様に右余白にあるコメントが入った状態で印刷される。コメントではこのほかにも、ODF、DOC、DOCX、RTFフィルタでネストしたコメントのインポートとエクスポートをサポートした。

 このほか、スプレッドシートのCalcでのハイライト機能の強化や、ワープロWriterでのパラグラフの上限が16ビット(6万5535文字)から32ビット(21億4748万3647文字)にアップするなど、多数の改善が加わっている。

 LibreOfficeはWindowsおよびMac OS X、Linuxなどに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。

LibreOffice
https://www.libreoffice.org/