1億回ダウンロード越えした「Apache OpenOffice」、バージョン4.1を公開
Apache OpenOfficeプロジェクトは4月29日、オープンソースのオフィスソフトウェアの最新版「Apache OpenOffice 4.1.0」を公開した。バグ修正が中心のメンテナンスリリースとなるが、新機能や既存機能の強化も行われている。
Apache OpenOffice 4.1は、2013年7月に公開されたバージョン4.0系の最新安定版となる。新機能としては、ワープロソフト「Writer」でテキスト範囲にコメントや注釈を付けられるようになった。コメントの範囲のハイライト表示も可能。この機能はODF(Open Document Format)1.2で実装されたもので、OOXMLファイルフォーマットとの互換性を強化するという。
障害者向け機能であるアクセシビリティでは、Windows版でテキストの読み上げに使われていた「Java Access Bridge」が削除され、代わりに「iAccessibility2」が導入された。これにより、より快適なスクリーン読み上げが可能になるという。
Mac OS向けでは64ビット対応が強化されている。また、本バージョンよりサポートOSがMac OS X10.7以降に変更され、Mac OS X 10.6系はサポート対象外となっている。
既存機能の強化では、Writerの入力フィールドの使い勝手を強化し、テキストエリアで直接内容を修正できるようになった。図形描画の「Draw」とプレゼンの「Impress」ではグラフィックオブジェクトの切り抜き機能が強化され、回転などの加工が行われたグラフィックに対してもインタラクティブな切り抜きが可能になった。画像やグラフィックデータのインポートやドラッグ&ドロップ操作もスムーズになり、3Dチャートの読み込みとインポートも強化された。このほか、ベクターグラフィックの修正やフィルター機能の強化など、グラフィック関連でいくつかの機能強化が行われている。
また、アドレス帳へのアクセスなどの用途に使われていたMozillaのインターネット統合アプリケーションスイート「Seamonkey」のコードは削除され、代わりに安全性の高いNSS(Network Security Services)ライブラリが採用された。これにより、ビルドプロセスとソースコードのメンテナンスを簡素化できるとしている。対応言語も増やし、日本語を含む38の言語を正式にサポートする。
Apache OpenOfficeは4月中旬、ダウンロードが1億回を超えたことを報告している。一方、OpenOfficeのフォークとなる「LibreOffice」(Document Foundation)は同日、バージョン4.1.6のリリースを発表している。
Apache OpenOffice
http://openoffice.apache.org/