英Ubuntuが「Ubuntu Core」を拡大、クラウドとモノのインターネット向けの「Snappy Ubuntu」を発表

 英Canonicalは1月20日、軽量OS「Snappy Ubuntu Core」のローンチを行った。クラウドやIoT(モノのインターネット、Internet of Things)向けのプラットフォームで、22社がパートナーエコシステムに加わっている。

 Snappy Ubuntu CoreはCanonicalが2014年12月に発表したUbuntuベースの軽量OS。クラウドやIoT向けに設計したもので、12月に公開したクラウドイメージに加えて、今回IoT向けのイメージが公開されている。Ubuntuをベースに、新しいパッケージディストリビューションシステムを採用しているのが特徴。ハードウェアレイヤ、システムレイヤ、フレームワークレイヤ、アプリケーションの4層構造を持ち、OSコアを共有したコンテナプラットフォーム技術、個々のアプリケーションの分離といった特徴を備えるほか、ソフトウェアアップグレードに失敗したらアップデート前の状態のままが維持され(ロールバックされ)、アップグレードは成功するかなしかのどちらかになる「トランザクショナルシステム管理」アプローチを持つ。

 Canonicalは合わせて、IoT向けSnappy Ubuntu Coreの導入例として、ロボット、ドローン、スマートホームなどデバイス向けのオープンなハブなどの事例を発表している。ロボットではOpen Source Robotics Foundation(OSRF)、ドローンではErle RoboticsなどがSnappy Ubuntu Coreを利用しており、たとえばErle RoboticsはUbuntu Coreベースの教育用ドローン「Erle-Copter」を開発している。また、Ninja BlocksはUbuntu CoreとSnappyアプリケーションを土台に「Ninja Sphere」としてスマートホーム向けアプリプラットフォームとアプリストアを構築しているという。合計で22社がSnappy Ubuntu Coreのパートナーエコシステムに参加している。

 Snappy Ubuntu Coreのサイズは40MBで、対応アーキテクチャはARMv7と64ビットx86。ハードウェア要件として600MHzのプロセッサ、128MBのRAM、4GBのフラッシュメモリなどが挙げられている。クラウドではAmazon EC2、Azure、Google Compute Engineで利用でき、ローカルでの実装用にKVM、OVA、Vagrant向けイメージが公開されている。

Snappy Ubuntu Core
http://developer.ubuntu.com/en/snappy/