「Chef Client 12」がリリース

 システム構築自動化のためのフレームワーク「Chef」を開発する米Chef Softwareは12月5日、「Chef Client 12.0.0」をリリースした。Chef 11との後方互換性があり、Windows向け機能の強化、SSL認証のデフォルトサポートなどが特徴となる。

 Chef Clientは、管理対象のサーバーにインストールして利用するソフトウェアで、Chef Serverから各種設定データなどをダウンロードして自動的にサーバーの設定を行ったり、ユーザーからの操作を受け付けるフロントエンドとなる。

 Chef Client 12では、新たに「ProviderResolver」を導入した。OS環境をチェックしてそれに応じた適切な設定方法を利用するためのツールで、たとえばシステムがsysV Initを利用しているのか、それともsystemdを使用しているのかを判断して実行する処理を自動的に変更できる。

 また、SSL認証がデフォルトで有効となり、遠隔にあるサーバーとHTTPS経由で接続する際にSSL証明書の認証が可能となった。Attribute機能も強化され、任意の優先レベルでAttributeツリーにおけるキーを安全に削除したり、入れ子になった値を上書きする形で値を設定できるという。ユーザビリティも強化された。

 プラットフォーム別の強化としては、Linuxに比べると機能が劣るWindows向けの機能を強化した。その一環として、これまでchef-client、knifeの両ツール利用時にCPUの利用率が断続的に100%になる不具合も修正されている。バックエンドで利用しているRubyはバージョン2.0にアップグレードされており、これによってrequireパスを高速化するとともに、Chef Development Kitで利用しているツール「appbundler」の利用によって利用するgemのバージョン依存性解決を確実にした。これらによって読み込み時間が短縮されるという。なおappbundlerはWindows向けだけではなくすべてのプラットフォームで有効となっており、全体の性能強化につながっているという。

 Windows向けではこのほかにも、ネイティブのWindows機能との統合を進め、Windows Event Logsでのイベントロギングが一部可能となった。

 Mac OS X向けではMac OS X 10.10をサポートすると同時に、10.6/10.7がサポート外となった。このほか、パッケージ管理でのmacportsの利用を廃止して内部技術に変更することで管理が容易になったという。そのほか、IBM Powerプラットフォーム上のAIX 6.1および7.1のサポートも加わっている。

 後方互換性については、Chef Client 12.0.0はエンタープライズ版、オープンソース版、およびホスティング版のあらゆるChef Serverに利用できるという。なお、Enterprise Chef Serverのバージョンが11.2.5以前の場合はchef_max_version設定を行う必要がある。

米Chef Software
https://www.chef.io/