Firefox 34リリース、リアルタイムコミュニケーション機能「Firefox Hello」を導入

 Mozillaは12月1日、Webブラウザ「Firefox 34」をリリースした。WebRTCを使用するリアルタイムコミュニケーション機能「Firefox Hello」が導入されたほか、米国など一部の国ではデフォルトのWeb検索サービスがGoogle以外のものに変更されている。

 10月中旬に公開された「Firefox 33」に続く最新版。11月にMozillaはデフォルトで利用される検索サービスを変更すると発表しており、米国ではデフォルトの検索サービスがGoogleからYahoo!に、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンではYandexに変更されている。これらの国では最新版にアップデートすると、それぞれのデフォルト検索サービスに移行するかどうかを尋ねるウインドウが開く。検索バーそのものの改善も行われている。

 新機能となるFirefox Helloは、プラグインなしにWebブラウザ上で音声や動画によるチャット、ファイルのやり取りを可能にする機能。ユーザー間で同じチャットサービスを利用していなくても、FirefoxやGoogle Chrome、OperaといったWebRTCをサポートするWebブラウザ同士でリアルタイムなやりとりができる。アカウント作成は必須ではなく、ツールバーやメニューパネルにある通話アイコンをクリックしてリンクを生成、このリンクをメールなどで相手に通知する。相手がリンクをクリックすると呼び出しが開始されるという流れ。また、Mozillaの提供するアカウントサービスであるFirefox Accountを利用すると1クリックで相手を呼び出すこともできるという。これに合わせてFirefoxではコンタクト管理機能も導入、Googleアカウントから友人や家族をコンタクトに追加できる。

 このほかの機能として、カスタマイズモードでの直接テーマの変更が可能となった。メニューからカスタマイズに入り、ここからテーマを選択、インストールされているテーマやおすすめのテーマをクリックすると変更できる。Windowsでは、「Firefoxは起動していますが応答しません」のダイアログでロックされたFirefoxを復帰する機能も導入された。Mac OS XではLeopard(10.6)以降でH.264のサポートが加わっている。

 HTTP/2(ドラフト14)とALPN(Application Layer Protocol Negotiation)やECMAScript 6のWeakSet、JavaScript Template Strinも実装された。HTML5の暗号化WebCryptoも一部実装されている。

 開発者向け機能である「WebIDE」も導入されている。Firefox OS向けアプリケーションの開発ツールである「App Manager」の後継として利用でき、ここからアプリケーションの実行やデバッグ、開発が行える。

 Android版では公開鍵のピンニングが有効になり、HTTPヘッダのPrefer:Safeをサポートするなどの強化が加わっている。

 Firefox 34は、プロジェクトのWebサイトよりWindowsやMac OS X、Linux向けのバイナリやソースコードが入手できる。Android向けはGoogle Playよりダウンロードできる。

Firefox
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/