MozillaがFirefox検索でのGoogleとの提携を打ち切り、国毎にデフォルトを設定へ
Mozillaは11月19日、Webブラウザ「Firefox」における検索分野の提携方針を変更したことを発表した。2004年以来、FirefoxではGoogleとの提携に基づき全世界共通でGoogleをデフォルトの検索サービスとしてきたが、今後は地域毎にデフォルトの検索サービスを設定する。新しい検索エンジンの方針がユーザー側に反映されるのは12月からという。
Firefoxブラウザが統合する検索ボックスのデフォルト検索エンジンが、Googleから変更となる。Mozillaによると、Firefoxユーザーの検索回数は年1000億回以上になるというが、今回競争戦略を見直しさらなる選択肢を模索したという。
米国ではYahoo!との5年間の提携に基づき、デフォルトの検索エンジンはYahoo!となる。Yahoo!との提携はDo Not Track(DNT)も含み、Yahoo!はDNT設定を行っているユーザーをサポートする。ほかの検索サービスの選択肢としてはGoogle、Microsoft Bing、DuckDuckGo、eBay、Amazon、Twitter、Wikipediaを用意する。
中国、ロシアでは地元の検索サービス(中国ではBaidu、ロシアではYandex Search)がデフォルトとなる。これに加えて、Googleを含む複数の選択肢を提供する。
日本を含むその他の国では、引き続きGoogleがデフォルトの検索エンジンとなり、Safe Browsing APIとGeolocationの提供も継続する。一方で、「グローバルでのデフォルトではGoogleとの契約を更新しなかった」とも記している。検索やコンテンツサービス各社に対し、「新しい革新的な検索インターフェイスやコンテンツ体験、デスクトップとモバイルでのプライバシー強化に対する模索を期待する」としており、Googleから距離を置く方針をやんわりと示唆している。
これまでGoogleはFirefox検索のデフォルト提携の下でMozillaに年間300万ドルを支払っており、Mozillaの大きな収益となっている。だが、関係がスタートした2004年から競争は大きく変化しており、GoogleはFirefoxと競合するWebブラウザ「Chrome」を持ち、MoillaはGoogleのモバイルプラットフォーム「Android」と競合する「Firefox OS」を開発している。
Mozilla
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