Nagiosを置き換えるネットワークモニタリングツール「Icinga 2.2」リリース
オープンソースのネットワークモニタリングツール「Icinga」の開発チームは11月17日、「Icinga 2.2.0」をリリースした。Agentフレームワークを実装し、CLI(コマンドラインインターフェイス)も強化した。
Icingaはオープンソースのモニタリングシステム。Nagiosからフォークしてスタートしたプロジェクトで、アークテクチャ、Webインターフェイス、レポート機能、容易なアドオン開発などが異なるとしている。Nagiosの単純なフォークと位置付けられていたIcinga 1は設定ファイル、プラグイン、アドオンなどでNagiosとの互換性があるが、Icinga 2ではコアフレームワークを置き換えており、互換性が失われている。開発チームは現在、1系と2系の開発を平行して進めている。
Icinga 2.2は、6月に公開されたIcinga 2系の最新版となる。新機能として、Agentフレームワークの導入がある。AgentはLinuxおよびUNIX、Windowsで動き、Icingaサーバー側に情報を送信するもの。遠隔から安全にチェックを実行するクライアントとして、NRPE(Nagios Remote Plugin Executor)プロトコルに代わるものとして使用できる。
Agentを安全にインストールするために、SSL設定を簡素化するコマンドラインベースの設定ウィザードも用意した。またIcinga 2 Clasterプロトコルを拡張し、CSR-AUto-Signingをサポートした。これによりローカルのSSL証明書なしに単一のチケット番号を生成してインストールできるという。
CLIフレームワークでは、コンテキストベースのbashコマンドの自動補完もサポートした。また、既存のスクリプトを統合した一方で、古いシェルやPythonスクリプトを削除した。このため、python-icinga2も削除されている。
これらの新機能に加え、文字列、数値などでしか利用できなかったカスタム属性を配列と辞書でも利用できるようになった。これにより入力作業を効率化し、ホストのカスタム属性ベースで新しいサービスにルールを適用できるという。
Icinga 2.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv2。
Icinga Project
https://www.icinga.org/