openSUSEプロジェクトが「Tumbleweed」と「Factory」のローリングリリースをマージへ

 OpenSUSE開発チームは10月24日、公式ブログにて「Tumbleweed」と「Factory」の2つのリリースをマージする計画を発表した。これらのリリースはともに「ローリングリリース」(頻繁に更新されるリリース)とされていたが、開発版という位置付けのFactoryの開発プロセス改善を受けての統合となる。マージ後の名称は「Tumbleweed」となり、11月に公開予定の「openSUSE 13.2」に合わせてマージ作業を行う予定だ。

 OpenSUSE Tumbleweedは2010年にスタートしたローリングリリースプロジェクト。年に2回リリースされる最新版を待つことなく、最新技術を利用できることを目的に作成した。いっぽうのFactoryはopenSUSEの開発版で、Tumbleweedプロジェクトが立ち上がった当初、プロジェクトチームは両者の違いとしてFactoryは動作が保証されていないのに対し、Tumbleweedはきちんと動く最新パッケージを入れる、と説明していた。

 今回、Factoryの開発プロセスが大きく改善していることを受けて、ローリングリリースの取り組みをTumbleweedとしてマージし、検証済みの最新アプリケーションを提供することとなった。両方のユーザーからのフィードバックと貢献を得ることでローリングリリースの開発ペースを加速するとしている。マージするのは「Factory Rolling Release」と呼ばれる検証済み/パブリッシュ済みのレポジトリとISOイメージで、ローリングリリースに向けた開発プロセスの名称としての「Factory」は残す。

 これにより、Factoryを明確な「開発プロジェクト」とし、FactoryはopenSUSE開発段階のコードベース、Tumbleweedは実験済みのアップデートを含む「すぐに使える」ローリングリリース、と役割を分ける。

 openSUSE Tumbleweedの創始者でLinuxカーネル開発者のGreg Kroah-Hartman氏は、「Factoryリリースモデルは開発段階のコードベースから、Tumbleweed開始当初のようなローリングリリースに変化した」と状況を説明している。

 開発チームによると、11月4日に既存のFactoryおよびTumbleweedユーザーに、マージ後のTumbleweedローリングリリースにマイグレーションするための詳細の技術情報を公開する予定とのことだ。

openSUSE
http://www.opensuse.org/