Appleの新言語「Swift」をオープンソースで実装するプロジェクトがスタート、GNUStepの開発者も参加
米Appleが今年発表したプログラミング言語「Swift」をオープンソースで実装するプロジェクト「Phoenix」が立ち上がった。オープンソース実装を用意することで、iOSとMac OS X以外でのSwiftの利用を可能にすることを目指す。
Swiftは6月にAppleのイベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)2014」で発表された言語。iOSおよびMac OS X向けアプリケーション開発に向けた言語で、LLVMをベースとし、Objective-C/C/C++との互換性もある。9月にGolden Master(GM)となる「Swift 1.0」を公開している。
SwiftはApple以外のプラットフォームに対応しておらず、またその計画もいまのところ明らかになっていない。Phoenixはこの問題を解決するため、Swift言語のオープンな実装を作成するプロジェクト。個人開発者が集まったInd.ieがホスティングし、開発は「Cocoa」のフリー実装である「GNUStep」の開発者であるGreg Casamento氏が率いる。ライセンスはGPL v3を採用する。
現在プロジェクトのサイトにアクセスすると、鳥かごからハートが放たれるグラフィックとともに、「親愛なるAppleへ、もし何かを愛しているなら自由に解放すべきだ」というメッセージが書かれている。その下にはInd.ieのデザイン担当Aral Balkan氏によるAppleのTim Cook CEOへの公開書簡があり、「オープン性について、Googleより劣っている」と意見を述べている。「Richard(GNUプロジェクトの創始者であるRichard M. Stallman氏)がGNU C Complierを作成した後にフリーライセンスで公開しなかったら、Appleの現在はだいぶ違っていただろう。Steve(Jobs氏)はNeXT上にObjective-Cコンパイラを構築できなかったはずだ」などと続いており、コードの公開を呼びかけている。
早期段階のコードが公開されているが、開発チームによると、現在はスタートしたばかりで開発中の段階にあるという。1週間以内に最新情報を伝えるとしている。