米Adobeがフォント開発ツールのAFDKOをオープンソースに

 米Adobe Systemsがフォント開発ツール「Adobe Font Development Kit for OpenType(AFDKO)」をオープンソースで公開した。Adobe Typeチームがフォントのデザインと更新に利用しているツールで、コード公開によりフォントツールの改善などに貢献したいという。

 Adobe Font Development Kit for OpenType(AFDKO)は、OpenTypeフォントライン構築のためのツール。2000年から無料で提供していたが、今回コードをオープンソース化した。既存のフォントからOpenTypeフォントを構築したり、フォントのコンテンツを確認したり、画面や紙の上でフォントの実証などを行うことができる。WindowsおよびMac OS X、Linuxで利用できる。

 Adobe社内のTypeチームは、AFDKOとErik van Blokland氏が開発する補完処理ツール「Superpolator」を併用していると説明する。背景として、Superpolatorは手動中心のデザインツールでありフォントを頻繁に更新するにあたってSuperpolatorで構築したフォントを再構築するプロセスを自動化する必要があったという。そこで、AFDKOとSuperpolatorのエンジン「MutatorMath」を連動するように設定し、作業を効率化した。このMutatorMathはvan Blokland氏と共同で修正BSDライセンスで公開し、AFDKOについてもApache License 2で公開することにしたという。

 これにより、商用フォントツール全体の改善とそれによるフォントの改善をはかれると期待を寄せている。Adobeは無償のオープンソース版のAFDKOと継続して通常のライセンス販売も継続する。

 Adobeは「Source Sans」や「Source Code」、「Source Serif」、「Source Han Sans」などのフォントファミリをオープンソースとして公開しており、AFDKOのコード公開はこれらを強化するものとしている。

米Adobe Systems
http://www.adobe.com/

Adobe Font Development Kit for OpenType(AFDKO)
https://github.com/adobe-type-tools/afdko

MutatorMath
https://github.com/LettError/mutatorMath