米Adobe、見えないフォント「Adobe Blank」をオープンソースで公開

 米Adobe Systemsが3月29日、「目に見えないフォント」というOpenTypeフォント「Adobe Blank」をオープンソースで公開した。特殊な用途で非常に有用なフォントという。ライセンスはSIL Open Font License, Version 1.1。

 Adobe Blankは、すべての文字が「目に見えず、空白にもならない」という特殊なフォント。Unicodeのコードポイントを全てカバーしており、特定用途のAdobe-Identity-0 ROSの一部として構築されている。すべてのUnicodeコードポイントを「スペースなし、マークなし」のグリフにマッピングするという。

 Adobe Blankは「目的のフォントが描画される前に、OSやアプリケーションのデフォルトフォントで文字が描画されることを防ぐ」「Webフォントが実際にロードされていることを検出する」といった目的で利用できるという。Adobe Blankはフォントサイズが非常に小さいため、たとえばWebフォントを利用する場合などに使用するフォントとしてまずAdobe Blankを指定しておき、続いて目的のWebフォントのダウンロードが完了したらそのフォントを適用する、というように指定することで「代替フォント」で文字が表示されるのを防ぐことができる。

 また、Webフォントの利用時にAdobe Blankで描画するテキストを用意しておき、そのブロックの幅を調べることで正しくWebフォントがロードできているかを検出することもできるという。

 Adobe BlankはSourceForgeよりダウンロードできる。

Adobe Blank
http://sourceforge.net/projects/adobe-blank.adobe/

米Adobe Systems
http://www.adobe.com/