webOS Portsが名称変更、モバイルOS「LuneOS」としてリリース
webOS Portsチームは9月1日、PalmやHPが関わっていたモバイル向けOS「webOS」の流れを組むモバイル向けOS「LuneOS」(開発コード「Affogato」)をリリースした。プロジェクト名を変更し、新たにスタートを切った形となる。iOSやAndroidと競合するものではなく、モバイル環境のニーズを十分に満たすものにしていく、とその立ち位置を説明している。
webOS Portsはオープンソースのモバイル向けOSであるOpen webOSをオープンなデバイスで利用できるようにすることを目的とするプロジェクト。2013年6月にアルファ2がリリースされた。今回、開発チームは公式リリースとともに、プロジェクト名を「WebOS Ports Open webOS」から「LuneOS」に正式に改名したことを発表した。Luneはフランス語で月を意味する言葉で、webOSのインターフェイス「LunaSysMgr」で用いられていたため。改名の理由として、Open webOSとの違いを明確にするため、と説明している。今後はローリングリリースの形をとり、コーヒー関連の名称を付けていくという。なお、webOSは元々Palmで生まれたプロジェクトで、その後Hewlett-Packard(HP)が取得、その後HPはLGに売却している。LGはwebOSをスマートTVなどで利用している。
LuneOSはスマートフォンなどのモバイル端末向けOSで、安定性や使いやすさを持ち、かつソフトウェアをポーティングしやすいシステムを目指すという。libhybrisによる互換性レイヤを利用し、webOSの良い部分を残しながら、コミュニティ主導のプロジェクトとして進めていくという。
今回リリースされた開発版Affogatoでは、設定アプリからWiFi接続や画面、開発モードなどを管理できるWiFi接続機能が特徴だという。また、Webブラウザや、メール、アカウント、メモ、コンタクト、webOS向けパッケージ管理ツール「Preware」などのアプリが動き、バックエンド機能はないものの初期的なカレンダーアプリもあるという。MozillaのPDF.jsベースの新しいPDFアプリや、ベーシックなファイルマネージャーも備える。
システム側ではUIマネージャ「LunaSysMgr」がリライトされ、「Luna Next」となった。また、Qt 5.2/QML、WebKit 2など最新の技術を利用することで、デザインの柔軟性を強化している。さらにアップデートメカニズムを統合し、最新のビルドに容易に更新できるようになった。ただし、現時点では新しい更新が利用できることを自動的に通知する機能はなく、ユーザーはその都度設定アプリから確認する必要がある。
システムサービスでは、Upstartに代わってsystemdを利用、これにより起動時間を短縮し、起動時のタスク管理も容易になるという。このほか、テストや開発用にVirtualBoxベースのエミュレーターも提供する。
機能面では今後、ハードウェアアクセラレーションに対応した動画/音声の再生、センサーの統合などをAndroidからポーティングする予定という。一方でLuneOS内でのAndroidアプリのサポートについては計画していないとのこと。このほか、QMLベースの電話アプリ、Tweaksのサポート、ステータスバー、キーボードレイアウトの改善などを計画しているようだ。
LuneOS AffogatoはプロジェクトのWebサイトより入手できる。対応する端末は「Nexus 4」と「HP TouchPad」。アルファ2でサポートしていた「Galaxy Nexus」および「Nexus 7」については、本バージョンはサポートを継続するが、今後のメンテナンスは行われないという。
LuneOS/webOS Ports
http://webos-ports.org/