Dockerコンテナ管理ツール「Kubernetes」開発にMicrosoftらが参加へ
米Googleは7月10日、米Microsoftや米RedHat、米IBMらが「Kubernetes」プロジェクトに参加することを発表した。KubernetesはGoogleが6月に発表したオープンソースのDockerコンテナクラスタ管理ツール。大手ベンダーが加わることでDockerコンテナの利用がさらに進みそうだ。
KubernetesはDockerコンテナを管理するマネージャーで、大規模な運用を想定しコンテナをクラスタ化して管理できる。GoogleはLinuxコンテナ技術を利用したデータセンターインフラを構築しており、週に20億ものコンテナを立ち上げているという。Kubernatesはこれらの経験をいかしたもので、拡張性、高い移植性のあるフレームワークを目指す。「Google Compute Engine(GCE)」上で開発されているが、どこでも動くとしている。ライセンスはApache License 2.0。
Kubernetesコミュニティへの参加を表明したのはMicrosoft、RedHat、IBM、それにDockerを開発する米Docker、クラスタ管理「Apache Mesos」技術の米Mesosphere、Docker向け軽量Linuxディストリビューションを開発する米CoreOS、インフラ設定管理の米SaltStackの7社。各社ともコンテナ技術を開発者が容易に活用できることを目標としており、自社の強みを持ち寄ることでプライベート、パブリック、ハイブリッドクラウドなどあらゆる環境に向けたコンテナ管理フレームワーク開発で協力する。
たとえば、Red Hatはコアコミッターとして参加し、自社製品やサービスでKubernetesのクラスタ管理技術を利用できるようにする。これにより顧客はGoogle Cloud Platformなどのパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、オンプレミスとさまざまなホスト上でDockerコンテナを管理できるという。また、Dockerコンテナ向け軽量OS「Project Atomic」の一部としてGoogleと協業することも発表している。Red HatはPaaSの「OpenShift」とDockerの統合を進めており、systemd経由でのDockerコンテナの接続、オーケストレーション、管理を可能にしていくとも述べている。
MicrosoftはAzure仮想マシンでのLinux環境でKubernetesが動くようにするとしており、IBMはエンタープライズ級のコンテナ技術を実現するためKubernetesおよびDockerエコシステムにコードを貢献するという。
Kubernetes
https://github.com/GoogleCloudPlatform/kubernetes