「Docker 1.1.0」リリース、.dockerignoreファイルの導入などが行われる

 オープンソースのLinuxコンテナ管理ツールを開発する米Dockerは7月3日、最新版となる「Docker 1.1.0」をリリースした。バグの修正だけでなく、新機能も加わっている。

 DockerはホストOS上から隔離された環境を構築し、そこでアプリケーションを実行できる技術。ランタイム/パッケージングツール「Docker Engine」およびアプリケーションの共有やワークフロー自動化のためのクラウドサービス「Docker Hub」から構成されており、仮想環境の構築やアプリケーションおよびユーザーの権限分離といった目的で利用できる。Linuxカーネルが持つリソース管理技術であるcgroupsを使って実装されており、仮想化ソフトウェアを利用する場合と比べ軽量である点が特徴。また、VirtualBoxなどの仮想化技術を利用することでWindowsやMac OS Xでも利用できる。

 Dockerは6月9日に初の正式版としてバージョン1.0がリリースされていたが、今回リリースされたバージョン1.1はそれに続くポイントリリースとなる。新機能として、設定ファイルなどを格納するディレクトリ内で特定のファイルやディレクトリを無視するための設定ファイル「.dockerignore」が加わった。

 また、起動中のコンテナに対し変更点のコミットを実行する際にコンテナの動作を一時停止するようになったほか、コンテナの最新のログを得る「tail」コマンドが加わった。そのほか、tarファイルをdocker buildのコンテキストとして扱えるようになった。ビルド自動化などに利用できるという。

 Port割当の改善、「docker save」や「docker inspect」、「docker commit」といったコマンドでバグの修正や機能の改善も図られた。デーモンの起動高速化や、大規模なイメージやコンテナの利用時の性能も改善している。

 DockerはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

米Docker
https://www.docker.com/