FSF、「フリーなBIOS」を開発する「Libreboot」に対する支援を呼びかけ

 フリーソフトウェアを推進する非営利団体Free Software Foundation(FSF)は8月5日、FSFが「自由なノートPC」として認定している「Gluglug X60」が名称を改め「Libreboot X60」になったことを報告した。名前に冠されている「Libreboot」はフリーBIOS実装「Coreboot」からバイナリblobを削除したディストリビューションで、FSFはLibrebootをプッシュしていく意向だ。

 FSFは2013年末、ユーザーの自由を尊重する製品であることを認定する「Respects Your Freedom(RYF)」に基づく初のノートPCとして、英国などで活動する団体Gluglug(GNU/Linux User Group)のGluglug X60を認定したことを発表した。Gluglug X60は米IBM(現在Lenovo)の「Thinkpad X60」を再設計したもので、Corebootからプロプライエタリなblobを削除し、Windowsの代わりにFSFが推奨する「Trisquel GNU/Linu」xをインストールしている。GluglugのFrancis Rowe氏は今年春、この際に作成したblobのないCorebootをLibrebootプロジェクトとして公開した。

 LibrebootプロジェクトはCorebootからプロプライエタリなblobを取り除いて配布するもので、フリーのBIOS代替を目指す。「Corebootのフォークではなく、アップストリームのCorebootプロジェクトと平行しており、密に協業する取り組み」と位置づけを説明している。FSFは、「プロプライエタリのBIOS/ブートプログラムを置き換え、容易にインストールできる100%フリーのソフトウェア」とLibrebootの重要性を強調している。

 フリーソフトウェアプロジェクトとしてスタート後、ThinkPad T60、X60 Tablet、一部のMacBookなどにサポートを広げている。FSFは、Librebootが広がるためにはさらに多くのハードウェアをサポートする必要があるとコミュニティにサポートを呼びかけている。

Libreboot
http://libreboot.org/