MozillaがJPEGエンコーダー最新版「mozjpeg 2.0」をリリース、Facebookが同技術をテストへ
Mozillaは7月15日、オープンソースのJPEGエンコーダー「mozjpeg 2.0」をリリースした。圧縮効率の改善により画像のファイルサイズを5%削減できるという。米Facebookがmozjpeg 2.0をFacebook.com上でテストすることも明らかにしている。
mozjpegはMozillaが2014年3月に発表したプロジェクト。新たに静止画フォーマットを開発するのではなく、広く利用されているJPEGの問題とされている圧縮効率を改善するためにスタートしたもので、既存のエンコーダーとの互換性を維持しつつ、JPEGファイルの圧縮改善を目指す。
2.0は、プロジェクト発表時に公開された1.0に続くものとなる。最大の特徴は、格子量子化(Trellis quantization)技術の実装。これにより、ベースラインとプログレッシブの両形式で、ファイルサイズを平均5%削減できるという。
画像データをJPEG形式に変換する「cjpeg」ツールでは新たにJPEG形式の入力がサポートされ、mozjpegでの再圧縮をより簡単に実行できるようになった。また、PSNR(Peak Signal-to-Noise Ratio)、PSNR-HVS-M、SSIM(Structural SIMilarity)、MS-SSIMといった各指標向けにチューニングできるオプションも加わった。また、mozjpegでは画像のDC成分を複数回スキャンするマルチDCスキャンをサポートしているが、一部のJPEGデコーダはこれに対応していないため、デフォルトでは1回のみDCスキャンが行われるように変更された。
Mozillaはまた、FacebookがFacebook.com上でmozjpeg 2.0を利用して画像圧縮の改善を図るテストを開始することも発表した。Facebookはmozjpegプロジェクトに6万ドルを寄付することになっており、次期版mozjpeg 3.0の開発などに利用するという。