米Red Hatが「RHEL 6.5」を発表――Docker対応、仮想化KVMも強化
米Red Hatは11月21日(米国時間)、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 6.5」をリリースした。コンテナ技術Dockerやネットワーク経由で高精度な同期を行う標準規格「PTP」のサポートなどが加わり、仮想化はKVMを中心に強化されている。
Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.5は現在の最新ブランチであるバージョン6系の最新版。2月に公開されたバージョン6.4に続くリリースで、ネットワークやセキュリティ、仮想化などで強化が行われている。
ネットワークでは、LAN上での高精度な時間同期のための「Precision Time Protocol(PTP)」をサポート、高速で低遅延のアプリケーションを支援するという。アーカイブしたデータのタイムスタンプの精度なども改善し、OpenStackのネットワーク名前空間のサポートも追加した。管理者はネットワーク活動の状況を把握しやすくなり、IGMP(Internet Group Management Protocol)を用いたスキャンによるマルチキャストルーターポートの表示も可能となった。
仮想化では、アクティブなゲストで仮想CPU(vCPU)を動的に有効化/無効化できるようになった。また、KVMゲスト仮想マシンでサポートするRAMの容量が最大4TBに拡張されている。KVMではこのほか、分散ストレージGlusterFSボリュームに直接アクセス可能となった。サードパーティのハイパーバイザー上でゲストとして動かす場合の性能も強化したという。
セキュリティでは、Network Security Services(NSS)、GnuTLS、OpenSSL、Javaなどのシステムで共通で利用される証明書ストアが導入された。また、NISTのセキュリティコンテンツ自動化プロトコル実装であるOpenSCAP 2.1をサポート、OpenSSLはバージョン1.0.1に更新した。これらの機能強化により、ミッションクリティカルなシステムやアプリケーションに対応できる安全性を備えるとしている。
Linux Containers (LXC)をベースとするコンテナエンジン「Docker」も新たに導入された。物理、仮想、クラウド環境でコンテナを作成し、アプリケーションイメージを実装できるという。
ストレージでは、ディスク上のファイルシステムへのアクセスを停止するfsfreezeに完全対応した。RAIDデバイスとの併用に設計されており、ボリュームスナップショットの作成を支援するという。NVM Express(NVMe)ベースのSSDサポート、単一のiSCSIターゲットで設定可能な論理ユニット番号(LUN)は255以上に拡張されている。
米Red Hat
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