ネットワーク管理ソフト「NetworkManager 0.9.10」がリリース

 オープンソースのネットワーク制御ソフトウェア「NetworkManager」の開発者は6月20日、最新版「NetworkManager 0.9.10」をリリースした。d-busデーモンが必須ではなくなり、管理ツールnmtuiを導入するなど多数の機能が加わっている。

 NetworkManagerはCで実装されたネットワーク設定・管理ツール。接続の管理やネットワークの変更を監視するデーモンやグラフィカルなUIで構成され、LinuxおよびUNIX系OS上で有線ネットワークおよびWiFiや3G、Bluetoothなどの無線ネットワークを設定・制御できる。当初はRed Hatが開発していたが、現在はデスクトップ環境GNOMEの一部として開発が進められている。ライセンスはGPLv2。

 0.9.10では、cursesベースの設定ツール「nmtui」を導入した。今までは設定管理ツールとしてコマンドラインベースの「nmcli」と、GUIベースのツールが提供されていたが、nmcliはコマンドを覚える必要があり、GUIツールと比較して使い勝手が悪かった。これを改善するために提供されるのがnmtuiで、コンソール上で対話的にネットワークの設定や管理が可能という。コマンドラインツールのnmcliも強化され、インタラクティブな編集、シングルコマンド編集、タブ補完などの機能が加わった。GUIツールでできる作業のほとんどすべてがコンソール上で可能になったという。

 アーキテクチャも変更され、Wifi、WWAN、Bluetooth、ASDL、WiMaxを分割し、それぞれのデバイスサポートはプラグインとして提供されるようになった。これにより、必要に応じて追加や削除が可能になり、ディストリビューションの容量削減を図れるという。iSCSIとFCoE(Fibre Channel over Ethernet)などに必要な堅牢性や信頼性を実現するData Center Bridging(DCB)設定も可能となった。

 また、NetworkManagerは以前はD-BusとHALを利用していたが、すでに必須ではなくなったHALに加えて、本バージョンではdbusデーモンも必須ではなくなった。ルートオペレーションでのPolicyKit利用も廃止された。また、遠隔からのSSH経由での操作を容易にするため、D-Bus承認の削除も行われている。

 このほか設定のカスタマイズも強化し、接続設定ファイルの改善、「ignore-carrier」オプションの追加などが加わっている。

NetworkManager
https://wiki.gnome.org/Projects/NetworkManager