対話型シェル「IPython 2.0」リリース
4月1日、Python向け対話的実行環境「IPython」の最新安定版「IPython 2.0」がリリースされた。インタラクティブなHTMLウィジェットの提供などの新機能が加わっている。
IPythonは対話的にプログラムを実行できるシェルを提供するソフトウェア。Pythonには元々対話的シェルが備えられているが、IPythonではより高機能なものとして開発されており、GUIを提供する専用コンソールやGUIツールキット、Webブラウザ上で動作する対話的実行環境、並列コンピューティング向けの高性能なツールなどを提供するのが特徴。Pythonにフォーカスしているが、任意の言語で対話型コンピューティングを実現可能にすることを目的としている。ライセンスは修正BSDライセンス。
IPython 2.0は2013年8月にリリースされたバージョン1.0に続く最新版。8か月の間、約100人の開発者が4000件のコミットを行ったという。大きな新機能としては、Webブラウザベースで動作する対話的環境「IPython Notebool」の機能強化が上げられている。Notebookで新たに導入された「interactive widgets」では、Webブラウザの画面内に表示される操作子要素を操作することでインタラクティブにPythonプログラムに対し入力を行えるというもの。また、ダッシュボード画面でサブディレクトリのナビゲーション機能が加わった。URLはランダムなUUID URLとは異なり、Notebookのパスと名前に基づいているため永続性がある。ユーザーインターフェイスでは、EditとCommandの2モードを別途用意した。セキュリティも強化され、メタデータの署名を利用して信用できないコードの実行を防ぐことが可能となった。
IPython 2.0はPython 2.7.2以上、3.2.1以上に対応する。なお最新版ではPython 3系のサポートも改善し、同一のコードで2.7系と3.2系上の両方でネイティブに動くようになった。なお、バージョン3.0/3.1系および2.5/2.6系はサポートせず、後方互換性のない変更も加わっている。
IPython
http://ipython.org/