ストレージサービス「Ubuntu One」、6月30日で終了。コードはオープンソース化される方針

 英Canonicalは4月2日、ストレージサービス「Ubuntu One」の提供を7月1日に打ち切ると発表した。ユーザーは6月30日までにデータを別の場所に保管する必要がある。CanonicalのCEOは米Googleや米Dropboxなどが提供する同等サービスとの競合を示唆しながら、「無料のストレージサービスの戦いは長期的に持続できない」と敗北宣言をしている。

 Ubuntu OneはCanonicalが2009年に発表したストレージサービス。「Ubuntu 9.10」より搭載され、その後Windows、iOS、Androidなど対応プラットフォームを拡大していた。クラウド上のサーバーにファイルを保存したり、ファイルの同期ができるサービスで、5GBまで無料、それ以上は有料で容量を追加できるというビジネスモデルで運営されていた。また、音楽配信サービスなども提供されていた。

 Canonicalは7月1日にUbuntu Oneを打ち切る。4月2日より追加容量や音楽の購入はできず、7月1日以降ファイルは削除される。これに伴い、4月に登場予定の次期版「Ubuntu 14.04 LTS」はUbuntu Oneを搭載せず、既存のUbuntuディストリビューションからも削除する。また、Google PlayやAppleのApp Storeで提供されていたUbuntu Oneアプリも削除するという。年間サブスクリプション顧客に対しては、終了時点で利用していない分を計算して払い戻しするとしている。Ubuntu One Single Sign Onサービス、Ubuntu One Paymentサービスは今後も継続する。

 CanonicalのCEO、Jane Silber氏は閉鎖を告げるブログ記事で「厳しい決断だった」としながら、理由について「ほかのサービスが25GBから50GBの無料ストレージを提供しており、無料ストレージサービスの戦いはわれわれにとって持続性のあるものではない」と説明している。競争を展開するためにはUbuntu Oneに投資をする必要があるが、それよりもUbuntuプラットフォームの強化にフォーカスすることを判断したという。

 閉鎖後、Ubuntu Oneのコードはオープンソースで公開する予定とのこと。ユーザーはこれを利用して自分でファイルストレージサービスを構築できるという。

Ubuntu One
https://one.ubuntu.com/