「Git 1.8.5」がリリース

 11月29日、オープンソースの分散バージョン管理システム「Git 1.8.5」がリリースされた。細かな機能強化が多数加わったほか、性能も向上しているという

 Gitは軽量、高速を特徴とするバージョン管理システム。元々はLinuxカーネルの開発用にLinus Torvalds氏が開発し、現在はJunio C Hamano(濱野純)氏がメンテナを務めている。LinuxカーネルだけでなくPostgreSQLやRuby on Rails、Eclipseなど多くのオープンソースソフトウェアの開発で使われているほか、米Google、米Facebookなど多数の企業でも利用されている。

 Git 1.8.5は2012年10月に公開された1.8系の最新版。変更点としては、ファイルパスの指定時に大文字/小文字の区別をしない「(icase)」や、ワイルドカードを利用できる「(glob)」といった指定が可能になった。また、http関連の設定値において、「[http “<URL>”]」といった形式でURLごとに設定を変更できるようになっている。これにより、特定のURLに対してのみSSL認証を無効にする、といったことが可能になる。

 また、xdg-openコマンドを「git web-browse」のバックエンドとして利用できるようになった。ワークフロー関連ではこのほか、「git log @」のように「HEAD」の代わりに「@」という表記が利用できるようになっている。「git blame」コマンドで複数の-Lオプションを利用して調べられるようになるなど、これ以外にも多数の細かな改善が図られている。

 性能も強化し、HTTPでTCP keepaliveを利用可能時に利用するようになった。MSVC向けビルドプロセスの改善も行われている。

 Git 1.8.5はLinuxおよびMac OS X、Windowsなどで動作する。バイナリおよびソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv2。

Git
http://www.git-scm.com/