米Red Hat、新言語「Ceylon 1.0」発表、初のプロダクションリリースに
11月12日、米Red Hatが開発する新しいプログラミング言語「Ceylon 1.0.0」がリリースされた。「プロダクションリリース」(製品として実用的とされるリリース)という位置付けで、JavaおよびJavaScript環境上で実行できるクロスプラットフォームのプログラムを開発できるという。
Red Hat社内でCeylonプロジェクトを主導するGavin King氏が発表したもの。King氏は2011年の春にCeylonプロジェクトの概要を明らかにしてから2年でのプロダクションリリースになる。King氏はプロジェクトの開始時、Javaのユーザーインターフェイス定義やJava SE SDKに対して「Javaの限界を感じている」としており、Ceylonは強い静的型付け、正規表現文法やツリーライクな構造による読みやすさ、モジュラー性などを特徴とする。
Ceylonで実装されたコードはJavaおよびJavaScriptの仮想マシン上で動き、JavaおよびJava SDKと相互運用性のあるモダンなSDKを含む。コマンドラインツールセットやEclipseベースのIDEも提供され、リファクタリング、自動入力、デバッグ、クイックフィックスなどが可能という。
Ceylon 1.0のコマンドラインツールセットにはJava/JavaScript向けのコンパイラが含まれており、Java仮想マシンとNode.jsで実行できるモジュラープログラムをサポートする。これにより、JavaとJavaScriptの両仮想マシン環境で実行できるクロスプラットフォームの開発が可能。それぞれのプラットフォームにおいてはネイティブコードとの相互運用性もあるという。
IDEは、タイプ階層ビュー、ドキュメンテーションビューが加わり、依存性を管理できるCeylon Moduleプロパティページを導入した。SDKでは、ビルドスクリプト構築のフレームワークとHTMLコンテンツ定義のライブラリが新たに加わったという。
CeylonはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2.0で、一部GPL、Eclipse Public License、AGPLv3が利用される。
なお、10月初めにKing氏が発表したロードマップでは、次期版1.1は性能にフォーカスしたリリースとなり、1.0とのバイナリ互換が損なわれる可能性があると警告している。
Ceylon
http://ceylon-lang.org/