「OpenBSD 5.4」リリース、OpenSSHやOpenSMTPDがアップデートされる
UNIX系OSの「OpenBSD」開発チームは11月1日、最新安定版「OpenBSD 5.4」をリリースした。「OpenSSH 6.3」の搭載などが特徴となる。FTPサイトよりダウンロードできるほか、3枚組のCD-ROMセットも用意されている。
OpenBSDはセキュリティの高さや移植性を特徴とする4.4BSDベースのUNIX系OS。i386、sparc/sparc64、arm、alpha、powerpcなど多数のアーキテクチャ上で動作する。半年毎にリリースされており、5.4は5月1日に公開された5.3に続くものとなる。
OpenBSD 5.4では、OpenSSH、OpenSMTPDが6.3および5.3.3にアップデートされている。OpenSSH 6.3ではsshdでssh-agentをサポート、これにより暗号化されたホストキーやスマートカード上のホストキーを利用できるようになった。また、ユーザー認証のログが標準化されるなどの機能が加わっている。OpenSMTPDは前バージョンの5.3ではじめて安定版が統合されたSMTPサーバー。最新版ではバージョン5.3.3となり、LMTPローカル配信のサポート、SECUREおよびAUTH伝送のサポートなどが強化点となる。
ネットワークスタックでは、ネットワークプロトコル向けのchecksum処理の再構築、relaydでのSSLインスペクションのサポートなど、細かな強化が図られている。DHCPサーバーdhcpdおよびDHCPクライアントdhclientも強化されている。性能では、オーディオの割り込みを処理する際にカーネルロックが不要となったほか、カーネルのbcopy/memmove/memcpy実装も改善した。
主要パッケージも更新されており、「GNOME 3.8.3」や「KDE 3.5.10」、「Xfce 4.10」、「MySQL 5.1.70」、「PostgreSQL 9.2.4」などを含む。ハードウェアサポートでも、inteldrmでLinux 3.8.13との同期などを強化した。
OpenBSD恒例のリリースソングは「Our favorite hacks」。こちらはMP3およびOGG形式で公開されているほか、OpenBSD 5.4のCDにも収録されている。
OpenBSD
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