「OpenBSD 5.3」リリース、新たに「OpenSMTPD」安定版が搭載される

 OpenBSD開発チームは5月1日、BSD系OS「OpenBSD」の最新安定版「OpenBSD 5.3」をリリースした。SMTPサーバー実装の「OpenSMTPD」安定版が加わっているほか、セキュリティの強化などが行われている。

 OpenBSDはセキュリティや移植性の高さなどを特徴とする4.4BSDベースのUNIX系OS。半年ごとのリリースサイクルを持ち、OpenBSD 5.3は2012年11月に公開されたバージョン5.2に続くリリースとなる。

 OpenBSD 5.3では、OpenBSD Project内で開発されているSMTPデーモン「OpenSMTPD」の安定版が初めて搭載された。APIの変更による性能強化、バーチャルデーモンサポートの改善、ロギングフォーマット強化、メモリ利用の効率化などの特徴を持ち、運用環境での利用に適しているという。OpenSMTPDは、FreeBSDなどほかのOSでも動く移植版も公開されている。

 セキュリティ関連では、alpha、amd64、sparc64などのアーキテクチャで位置独立実行形式(PIE)がデフォルトとなるなどの強化が図られた。性能も強化し、デフォルトのディスクI/OソートアルゴリズムをNSCANに変更したほか、Softdepも改良されている。

 新たなドライバの追加によりハードウェアサポートの改善が行われているほか、ネットワークスタックも改良されている。ルーティングデーモンでは、L2TP、L2TP/IPsec、PPTP、PPPoE向けサーバーサイドデーモンnpppdが加わり、snmpdでのSNMP v3サポートも加えられている。

 OpenSSHは3月に公開されたバージョン6.2を搭載。このほか、「GNOME 3.6.2」「KDE 3.5.10」「Xfce 4.10」などデスクトップ環境が最新版にアップデートされている。「MySQL 5.1.68」「PostgreSQL 9.2.3」「OpenLDAP 2.3.43」、同2.4.33など、これ以外にもさまざまなソフトウェアが含まれている。

 i386などさまざまなアーキテクチャ向けのパッケージが用意されており、インストール用CD/DVD ISOイメージはプロジェクトのWebサイトから入手できる。なお、OpenBSDはリリース時に「リリースソング」を公開するのが恒例だが、今回のリリースソングはメモリ管理をテーマにした「Blade Swimmer」となっている。

OpenBSD
http://www.openbsd.org/