クラウド基盤ソフトウェア「Eucalyptus 3.4」が登場、AWS互換機能を強化

 米Eucalyptus Systemsは10月24日(米国時間)、クラウドインフラストラクチャ構築ソフトウェア 「Eucalyptus 3.4」を公開した。Amazon Web Servicesとの連携機能や、イメージの管理やマイグレーション機能などが強化されている。

 EucalyptusはInfrastructure as a Service(SaaS)型クラウド環境を構築するためのソフトウェア。元々はカリフォルニア州立大学サンタ・バーバラ校コンピュータ科学学部で開発された技術をベースとする。Amazon Web Services(AWS)とのAPI互換性が特徴で、Eucalyptus上で作成やQAテストを行ったアプリケーションをAWSのパブリッククラウドにマイグレーションする、といったことが可能。これにより開発コストを削減できるという。セキュリティのF-Secure(フィンランド)や欧州宇宙機関(ESA)などの採用事例を持つ。

 Eucalyptus 3.4は、6月に公開したバージョン3.3に続く最新版となる。大きな新機能としては、管理コンソール「Hybrid Cloud User Console」の導入がある。単一のインターフェイスでEucalyptusクラウドのプロビジョンと管理、クラウドリソースの管理が可能。クラウドリソースのプロビジョン、モニタリング、管理、スナップショット作成、自動スケーリングが簡単にでき、クラウド管理者はEucalyptus上の開発状況をチェックした後に、AWS上の運用環境のワークロードをモニタリングするなどのことができるという。

 イメージの管理とマイグレーションを強化するツールも加わった。新しいイメージの追加が容易になり、新たに作成したイメージを自動確認するサービスも利用できる。Amazon Machine Images(AMI)とEucalyptus Machine Images(EMI)の変換を容易に行えるほか、VMwareユーザー向けとなるVirtual Machine Disk(VMDK)からEMIへの変換も強化された。AWD S3とのAPI互換も強化している。AWSと互換性のあるIdentity and Access Management Roles(IAM Rolues)も利用できる。

 このほか、高可用性も強化し、アップグレードプロセスを簡素化するウォームアップグレードも用意する。重要な開発やテスト中のアップグレードを支援するという。

 EucalyptusのWebサイトでは、Eucalyptus環境を自分のマシンで簡単に構築できる「FastStart」版が提供されている。また、Eucalyptusが管理するマシン上に構築されたEucalyptus環境を無料で利用できるコミュニティ版「Eucalyptus Community Cloud(ECC)」も提供されている。

米Eucalyptus Systems
http://www.eucalyptus.com/