米Google、「Webの未来」をデモンストレーションした「Web Lab」の一部プロジェクトをオープンソースで公開

 米Googleは8月9日、英ロンドンのサイエンス・ミュージアムで1年の間開催されていた「Chrome Web Lab」で展示していた「Universal Orchestra」および「Sketchbots」の2プロジェクトをオープンソースで公開した。11日の展示終了を受け、人気が高かったプロジェクトを公開した形となる。

 Web Labは「Webの可能性」についての実験デモを集めた技術展示で、GoogleのApp EngineやChromeで採用されている最新のWeb技術を利用した実験プロジェクトを5種類用意していた。Google Creative LabsチームとTellartなどとの共同プロジェクトとして開発したもので、サイエンス・ミュージアムで物理的に展示されたほか、Web上でも公開された。

 Universal Orchestraは8種類の人工楽器」を利用して、オンライン上の他のユーザーと合奏できるシステム。Web Labではサイエンス・ミュージアムにある楽器を実際に制御して演奏でき、録音や再生などができた。公開されたコードを使うことで、Webブラウザベースのループシーケンサーインターフェイスを利用してハードウェアを制御し、リアルタイムでのコラボレーションができるという。UIはHTML5で作成されており、Node.jsベースのリアルタイムサーバー、PythonベースのデーモンとMIDIハードウェアにコマンドを送るMaxで構成されるハブを持つ。これらモジュール間はWebソケットとMIDIでやり取りし、動画とオーディオはWebRTCまたはAdobe Systemsのプロプライエタリ技術であるRTMPストリーミングプロトコルを利用する仕組み。

 SketchbotsはWebカメラで自分の顔写真を撮影し、それを送ると似顔絵を書いてくれるというサービス。ソフトウェアはJavaScriptとPythonで作成されており、線描は様々なファイルフォーマットで保存できる。オープンソースプロジェクトでは、線描処理ソフトウェア、HTML5ベースのUI、線描キューを処理するサーバーのほか、Web Labで利用したハードウェア設計も公開している。

Chrome Web Lab
https://github.com/GoogleChrome/ChromeWebLab

米Google
http://www.google.com/