米Twitterなどでも利用されているクラスタマネージャ「Apache Mesos」、ApacheのTLPに昇格

 非営利団体のApache Software Foundation(ASF)は7月24日、クラスタ管理ソフトウェア「Apache Mesos」をトップレベルプロジェクト(TLP)に昇格したことを発表した。米Twitterやカリフォルニア大学で使われているクラスタ管理ツールで、分散環境でリソースの分離と共有を効率よく行うことができるという。

 Apache Mesosはカリフォルニア大学バークレー校の研究機関AMPLabのプロジェクトを起源とし、データセンターでのリソースの共有/隔離を管理する技術として開発された。アプリケーションとプールされたサーバー間の抽出レイヤとして動作し、分散環境でジョブの実行を最適化できる。これにより、無駄なクラスタの作成を防ぐという。

 1万台のノードにも対応し、ZooKeeperを利用したフォールトトレランス、マルチリソーススケジューリング、Webベースの管理UI、JavaおよびPython、C++向けAPIの提供といった特徴を持つ。これを利用してHadoop、MPI、Hypertable、Sparkなどのアプリケーションを動的なクラスタ環境で動かすことができるとのこと。Twitter、カリフォルニア大のほか、空いている部屋の貸し借りサービスを提供する米AirBnBなどが利用している。なかでもTwitterは積極的に自社インフラでMesosを利用しており、プロジェクトにも貢献している。

 2011年にApache Incubatorプロジェクトとなり、これまで4回のリリースを行った。ライセンスはApache License 2.0で、最新版は6月に公開された0.12.0。コミュニティとプロジェクトの成長、ASFのメリトクラシー(能力主義)に基づくガバナンス体系があることなどが評価され、TLPに昇格となった。

Apache Mesos
http://mesos.apache.org/

Apache Software Foundation(ASF)
http://www.apache.org/