オープンソースのDAW「Ardour 3.2」リリース、動画の音声トラック編集をサポート

 マルチトラックでの音声の録音/編集をサポートするデジタルオーディオワークステーション(DAW)「Ardour」開発チームは6月13日、最新版「Ardour 3.2」をリリースした。新機能として、「数年がかりで実現した」という動画の音声トラック編集がサポートされている。

 ArdourはMac OS XおよびLinuxで動作するデジタルオーディオワークステーション。オーディオの録音、編集、ミキシングなどの機能があり、オーディオエンジニア、ミュージシャン、動画編集者などをターゲットとしている。WAVやBWF、AIFF、CAF、FLACといったさまざまなフォーマットの音声ファイルを扱えるほか、VSTやLV2、LADSPA、AudioUnit(Mac OS Xのみ)などのプラグインを利用できる。MIDIトラックにも対応する。ライセンスはGPLv2。

 Ardour 3.2は2013年3月にリリースされた3系の最新版。最大の特徴は動画のサポートで、動画タイムラインや動画モニタリングのサポートにより、動画の音声のミキシングや編集が可能になった。インポートした動画からの音声トラックの抽出やビデオモニタ画面(フルスクリーンにも対応)を利用したタイムコードとの同期、タイムラインでのフレーム単位でのサムネイル表示などの機能がある。作成した作品は新しい動画ファイルとしてエクスポートできる。

 動画サーバーと動画モニタ、Ardourをそれぞれ別のマシンで稼働させることも可能で、設定も柔軟に行えるという。ただし、1度に読み込める動画は1ファイルのみで、ビデオ編集機能そのものは提供されない。

 このほか、MIDIに対応したLV2プラグインのチェイン接続機能やウィンドウ管理機能などが改善され、バグも修正されている。

 Ardour 3.2のソースコードはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。また、バイナリについては有償(1ドルから)で配布されている。一部機能が制限されたデモ版バイナリも用意されている。

Ardour
http://ardour.org/

ダウンロード
http://ardour.org/download.html