Java 7に対応したグラフデータベース「Neo4j 1.9」が公開

 オープンソースのグラフデータベースNeo4j開発チームは5月21日、最新安定版「Neo4j 1.9」をリリースした。Java 7に正式対応し、クエリ言語Cyperも強化されている。

 Neo4jはノードおよびそのつながり(リレーション)にデータを格納するグラフデータベース。Javaで実装されている。単一マシン上で数十億単位のノード/リレーション/プロパティを処理できるという拡張性、ノード空間内での高速なトラバーサル、ディスクベースのネイティブストレージマネージャ、オブジェクト指向のAPIなどを特徴する。ACIDトランザクションなど通常のデータベース機能も備える。ライセンスはNeo Technology Commercial License(NTCL)とAGPLv3のデュアルライセンス。プロジェクトはスウェーデンNeo Technologyの支援を受けており、有償の商用版も用意する。

 Neo4j 1.9は、2012年4月に公開されたバージョン1.7から1年1か月ぶりにリリースされた最新版となる。主な強化点としては、まずデフォルトのランタイムとしてJava 7に正式対応したことが挙げられる。また、クエリ言語のCypherではStringやタイムスタンプなどの関数、プロファイラなどが新たに加わっている。メモリ消費の効率化、オプティマイザでの性能なども強化している。

 高可用性(HA)クラスタ関連では、マスターやスレーブなどのクラスタ状況を調べるためのRESTエンドポイントやneo4j-arbiterツールが加わっている。全体の性能や並列処理性能も強化されている。WebベースのUIではスタート画面を一新したほか、「Neo4jガイド」も導入している。

 商用版では、「Apache Zookeeper」を利用していたクラスタ協調のための機能が独自のものに置き換えられている。オンラインバックアップも改善している。

 Neo4jはWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。ダウンロードページにはアップグレードガイドも用意している。

Neo4j
http://neo4j.org/