3Dモデルから漫画のようなグラフィックを生成する機能などを新たに搭載、「Blender 2.67」リリース

 The Blender Foundationは5月7日、オープンソースの3Dモデル作成/レンダリングツール「Blender 2.67」を公開した。ノンフォトリアリスティック(NPR)レンダリングエンジン「Freestyle」が加わり、2Dラインを様々な方法で描画できるようになった。

 Blenderは3Dモデル、CG、アニメーションなどを作成できる3Dモデル作成/レンダリングツール。ライセンスはGPL。

 Blender 2.67は2月に公開された2.66に続く最新版。最大の特徴は、ノンフォトリアリスティック(non-photorealistic、NPR)レンダリングエンジン「Freestyle」の統合。元々は学術研究用のプロジェクトのための単体ツールとして開発されたプログラムで、3Dモデルで作成したシーンから2Dグラフィックの線描を可能にするもの。線描の際には線の色や太さ、透明度などさまざまなパラメータ設定が可能で、3Dモデルから漫画のようなグラフィックを生成できる。

 レンダリングエンジン「Cycle」も改良し、皮膚、大理石などの表面に質感を表現するサブサーフェイス・スキャタリングシェーダが利用可能となった。OSLシェーディングの性能も改善されているという。ペイントシステムではストロークシステムやブラシテクスチャを統合し、一貫性を持たせた。これにより、ペイントモードでより多くのツールが利用可能になったという。Stencil Mappingモードも追加された。

 ノードエディタでは、ノードグループを改善しグループでの編集をさらに柔軟にできるようになった。Pythonスクリプトを利用してノードの定義と登録を行うことも可能になっている。メッシュボリュームや表面の計算など3Dプリンティングに必要な機能を提供するアドオン「3D Printing Toolbox」による3Dプリンタサポートの強化も行われた。このほか、合計で260以上のバグも修正されている。

 Blender 2.67はFreeBSD、Mac OS X、Linux、Windowsに対応、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

The Blender Foundation
http://www.blender.org/