WebSocketのリバースプロクシやSPDYサポートが加わった「nginx 1.4」登場
オープンソースのWebサーバー「nginx」開発チームは4月24日、最新の安定版となる「nginx 1.4.0」を公開した。1年ぶりの新たな安定版リリースとなり、SPDYプロトコルのサポート、WebSocketリバースプロキシなどの機能が加わっている。
nginxはロシアの開発者Igor Sysoev氏が開発したWebサーバーソフトウェア。軽量かつ高速なのが特徴で、リバースプロキシやIMAP/POP3プロキシ、キャッシュ、負荷分散、コンテンツの圧縮といった機能も持つ。ライセンスは二条項BSDライセンスで、BSD系OSだけでなくLinuxやMac OS X、Solaris、Windowsなどさまざまなプラットフォームで動作する。調査会社Netcraftの調査によると2013年4月のシェアは15%で、Apache HTTP Server(55%)、Microsoft IIS(20%)についで3位。
nginxではバージョン番号のドット(.)以下1つめの数字が偶数のものを安定版、奇数のものを開発版として並行リリースを行っている。nginx 1.4系は開発版として先行リリースされていた1.3系で加わった機能が盛り込まれている。大きな特徴としては、米Googleが開発を進めている通信プロトコル「SPDY」のサポートがある。ただしまだ実験的な位置付けで、SPDYサポートを提供する「ngx_http_spdy_module」モジュールはデフォルトでは組み込まれていない。そのため、利用時には「–with-http_spdy_module」オプションを指定して明示的に機能を有効にする必要がある。
Webアプリケーションなどで双方向通信を行うためのプロトコル「WebSocket」のリバースプロキシ対応やオンライン証明書の有効性を確認するためのプロトコルである「OCSP(Online Certificate Status Protocol) Stapling」のサポートも加えられている。gzip圧縮のためのモジュール「ngx_http_gunzip_module」も追加された。データを圧縮して保存したい時やI/O削減の目的で利用できるという。
このほか多数のバグを修正し安定性を強化したほか、IPv6サポートの強化、Clangコンパイラのサポートなども加わっている。
nginxはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。
nginx
http://nginx.org/