高速なHTTPサーバー「nginx 1.2」がリリースされる

 オープンソースのWebサーバーnginx開発チームは4月23日、最新安定版「nginx 1.2」をリリースした。2011年4月にリリースされたnginx 1.0系に続く安定版で、40以上の新機能が加わっている。

 nginxはロシアの開発者Igor Sysoev氏が2002年に開始したオープンソースのHTTPサーバープロジェクトで、リバースプロキシやIMAP/POP3プロキシ、キャッシュ、負荷分散、圧縮などの機能も持つ。高速、軽量、柔軟性、安全性などを特徴とし、米Facebook、米Dropbox、米TechCrunch(米AOL)、WordPressなど多数の導入事例を持つ。

 nginxは安定版の1.0系と、開発版の1.1系がリリースされていたが、1.2系は1.1系をベースにした新たな安定版となる。HTTPプロキシ関連ではアップストリームサーバーへのKeepalive接続の再利用やアップストリームサーバーへの複数同時リクエストの統合(キャッシュロック)、負荷分散の強化といった変更が行われている。

 また、PCRE(Perl互換正規表現)の最適化や長期にわたるTLS/SSL接続時のメモリ消費削減、非同期のディスクおよびネットワークI/Oハンドリングの強化、キャッシュメタデータ管理の最適化などが特徴となる。セキュリティも強化され、100件以上のバグを修正した。

 nginx 1.4はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。対応OSはWindowsやMac OS X、Linux、FreeBSD、Solarisなど。ライセンスは二条項BSDライセンス。

 NetcraftのWebサーバー調査では4月、nginxのシェアは10.32%で、Apache HTTP Server(シェア65.46%)、MicrosoftのIIS(同13.66%)に次いで3位となっており、減少傾向にあるIISとの差はだんだん縮小している。Sysoev氏は2011年7月にnginxの開発や商用サポートなどを手がける米NGINXを設立している。

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