米Red Hat、Open vSwitchサポートや仮想化関連機能の強化が行われた「Red Hat Enterprise Linux 6.4」リリース

 米Red Hatは2月21日(米国時間)、Ret Hat Enterprise Linux(RHEL) 6系の最新版「Red Hat Enterprise Linux 6.4」をリリースした。ストレージ、仮想化、セキュリティなどが強化されており、Microsoft技術との相互運用性も改善された。

 RHEL 6.4は2010年11月にリリースした6系の最新マイナーリリース。前バージョンとなる6.3は、2012年6月にリリースされている。

 RHEL 6.4では、LinuxカーネルのバージョンはRHEL 6.3の2.6.32から変更されていないものの、仮想ネットワークを構築するためのOpen vSwitchカーネルモジュールのサポートやPerfツールのアップデート、KVMでのTSC Deadlineサポートなどが追加されている。また、一貫性のあるデバイス命名ルールも導入された。たとえばディスクデバイスは従来「/dev/sda」や「/dev/sdb」といったデバイスファイル経由でアクセスできたが、これと同時に「/dev/disk/by-*」といった一貫性のある名前が付けられたデバイスファイル経由でもアクセスが可能になる。これらのマッピングはdmesgコマンドで確認できるという。Precition Time Protocolを実装したlinuxptpパッケージも追加されている。

 ストレージ関連では、NFS 4.1の一部である並列NFS(pNFS)を公式にサポートした。pNFSクライアントに完全対応することで、複数のクライアントが複数のデバイスに同時にアクセスできるようになり、拡張性やI/Oの性能を改善できるという。SCSIでは、デバイスの永続的な予約設定・管理が可能となるmpathpersistが加わった。XFSでのオンラインディスカードサポートや、Micron製のPCI Express接続SSDおよびRAID10を使ったストレージでのLVMサポートなども加わっている。

 仮想化関連でも多くの機能強化が行われている。まず、SCSIベースのKVMストレージ「virtio-SCSI」が追加された。これにより、ゲストOSから直接SCSI論理デバイス(LUN)に接続できるようになる。また、Intelの次世代プロセッサやAMDのOpteron 4xxxシリーズのサポート、USBデバイスを利用したライブマイグレーションサポートなども追加されている。Microsoft Hyper-Vとの相互運用性も強化され、ネットワークドライバ(hv_netvsc)やストレージドライバ(hv_storvsc)などを含むHyper-Vドライバのバンドルにより、Hyper-V上でゲストOSとしてRHEL 6.4を動作させられるようになった。VMware PVドライバーもバンドルし、VMware ESX上での動作も改善されている。

 セキュリティも強化されており、複数のSSHキーの集中管理、SELinuxのユーザーマッピング、自動マウントのマップキャッシングといった6.3で加わった機能が正式対応になった。MicrosoftのActive Directoryとの相互運用性も強化し、LinuxやActive Directoryなど異機種混在環境でのID管理が容易になる。

 そのほか、Samba関連やSciPyパッケージのアップデートなど、細かいアップデートも行われている。

米Red Hat
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