オープンソースのオフィスソフト「Calligra 2.6」リリース、電子書籍作成ツールやEPUB2形式でのエクスポート機能などが追加

 オープンソースのオフィススイート「Calligra」の開発チームは2月5日、最新版「Calligra 2.6」を公開した。多くの改善や問題修正が行われており、電子書籍で使われるEPUB2フォーマットでのエクスポート機能なども追加されている。

 Calligraは、KDE CommunityのCalligra Projectが開発しているKDE向けオフィススイート。かつては「KOffice」という名称で開発されていた。ワードプロセッサ「Words」や表計算「Sheets」、プレゼンテーションツール「Stage」、データベース「Kexi」、プロジェクト管理ツール「Plan」、ダイアグラム/フローチャート作成ツール「Flow」、ドローソフト「Karbon」、ペイント/画像エディタ「Krita」などから構成されている。デスクトップ版「Calligra SUite」だけでなく、タブレットやスマートフォンなどモバイル環境に向けた「Calligra Active」も用意されている。

 Calligraは2012年4月に初の正式版となるバージョン2.4をリリース。8月にはバージョン2.5がリリースされ、今回のCalligra 2.6は「初の運用環境向け」とされている。多くの新機能が追加されており、まず新たなアプリケーションとして電子書籍作成ツール「Calligra Author」が加わった。現バージョンではCalligra Wordsと似たようなものになっており、電子書籍向けのフォーマット「EPUB2」形式でのエクスポートサポートやワード数/文字数カウントといった統計機能などAuthorに向けて追加された機能もある。今後はWordsと機能を明確に分けていくとのこと。

 Wordsではダイアログやツールの強化が行われたほか、Authorと同様のテキスト統計機能や電子書籍向け形式でのエクスポートなどが追加されている。Sheetsでは関数オプティマイザ(ソルバー)が新しくなっている。Stageではスライド中のアニメーションを作成できるアニメーションフレームワークが新たに追加された。KexiではCSVのインポートとエクスポートが強化されている。

 また、Kritaでは主に映画業界で利用されている色管理技術OpenColorIOのサポートやハイダイナミックレンジ(HDR)画像のペイント機能の改善、GFXワークフローの統合、最新のOpenRaster標準のサポートなども加わった。

 CalligraはOpenDocumentをサポートするが、Authorに合わせてEPUB2フォーマットでのエクスポートにも対応した。2.6.1ではMOBIフォーマットでのエクスポートにも対応予定という。Microsoft Officeとの互換性も強化した。Calligra Suiteの共通アーキテクチャも強化し、アプリケーション間での機能を共有できるという。

 Calligra2.6はソースコードのほか、UbuntuやKubuntu、Arch Linux、Fedora、OpenSUSSE、FreeBSD、Windowsなどに向けたバイナリパッケージが有志によって提供されている。Mac OS Xにも対応しているものの現在バイナリパッケージの提供はなく、現状はソースコードからのビルドが必要となる。現在Mac OS X向けのバイナリパッケージを作成・配布してくれるボランティアを募集しているとのこと。

Calligra Project
http://www.calligra.org/

ダウンロード
http://www.calligra.org/get-calligra/