「Windows Phone 8」に対応、Apache Cordova/PhoneGap 2.3リリース

 米Adobe SystemsのPhoneGap開発チームは1月7日、オープンソースのモバイルアプリ開発フレームワーク「PhoneGap 2.3.0」をリリースした。同時にPhoneGapの母体となっているApache Software Foundation(ASF)の「Apache Cordova 2.3.0」もリリースされている。

 PhoneGapは、Adobeが2011年のNitobi Software買収によってその権利を取得したクロスプラットフォームのモバイルアプリケーション開発フレームワーク。AndroidやiOS、Blackberry、Tizenといった主要なOSに対応する。HTML5やCSSでのデザイン作成やJavaScriptによるアプリケーションの実装を行えるのが特徴。PhoneGapが提供するJavaScript APIを利用することでOS固有の機能を利用できるのが一般的なWebアプリケーションと異なる点で、作成したアプリケーションはネイティブアプリケーションとして配布できる。Adobeは同技術をApache Software Foundation(ASF)に寄贈、現在は「Apache Cordova」という名称でASFのトップレベルプロジェクト(TLP)として開発が進められている。PhoneGapとCordovaは実質的には同じもので、Cordovaとして開発されたものをAdobeがPhoneGapとして配布する、という形になっている。

 PhoneGap 2.3.0では、Microsoftからのコード寄贈により「Windows Phone 8(WP8)」サポートが実現した。Windows Phone 8版ではLocalStorage統合やIE10エンジンの利用なども特徴となる。すでに対応済みの「Windows Phone 7」と比較すると、WP8のアプリは読み込み時間も高速化するという。なお、WP8向けアプリケーションの開発には64ビットのWindows 8 Pro環境とVisual Studioなどが必要。

 iOSやAndroid向け機能としては、アプリケーション内から利用できるWebブラウザ機能「InAppBrowser API」が加わった。既存のChildBrowser(Cordovaが呼び出す子のブラウザ)とほぼ同じ機能で、イベントもサポートする。

 なお、PhoneGap 2.3.0ではiOS4のサポートが終了し、iOS5以上のみのサポートとなった。このほか、デバイスAPIの変更、バグの修正なども加わった。

 Apache Cordova 2.3およびPhoneGapは各プロジェクトのWebサイトより入手できる。

Apache Cordova
http://cordova.apache.org/

PhoneGap
http://phonegap.com/

米Adobe Systems
http://www.adobe.com/