Linuxカーネル2.6.37がリリース、Big Kernel Lockの排除やSMPサポート強化が特徴

 Linus Torvalds氏は1月4日、Linuxカーネル2.6.37をリリースした。SMP(対称型マルチプロセッサ)サポートの改善などが特徴となるが、「かなり静かなリリース」とTorvalds氏は形容している。

 2010年10月にLinuxカーネル2.6.36が公開されて以来、2ヶ月半でのリリースとなった。特徴の1つはSMPサポートの改善で、ext4およびXFSでSMPによるスケーラビリティが改善されている。また、長い間問題とといわれてきたBig Kernel Lock(BKL)が取り除かれ、性能向上が図られている。ext4の改善点としてはmkfsの高速化も挙げられている。

 仮想化関連の機能としては、新たにXen Dom0のサポートが加わった。ただし、ゲストがアクセスするのに必要なバックエンドドライバ側の作業が残っているという。

 このほか、Btrfsの強化、Cephベースのネットワークブロックデバイス、I/Oスロットリングのサポート、Fanotify APIの有効化、perf probe、CPUスケジューラーなどが強化点となる。LZO圧縮を使用したハイバーネーションをはじめ、電源管理も強化されている。

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