オープンソースのHPC向けファイルシステムLustreプロジェクト、米Oracleから英Xyratexに移管
米OracleがSun Microsystems買収の一部として獲得したオープンソースのファイルシステム「Lustre」プロジェクトが、英Xyratexの下で活動を再開することになった。Xyratexが2月19日、Oracleより商標およびロゴ、Webサイト、関連資産を買収したことを発表した。
Lustreは大規模なクラスタシステムなどで利用されることが多い並列分散ファイルシステム。拡張性があり、数万単位のクライアントシステム、ペタバイト級のストレージをサポートし、I/Oスループットも優れているという。世界のスーパーコンピュータ上位10中6のシステムで利用されているという実績もある。ちなみにLustreとは「Linux」と「Cluster」を組み合わせた言葉で、2003年に初めて公開された。ライセンスはGPLv2。
元々はカーネギーメロン大学の研究者Peter Braam氏が開発し、Braam氏が創業したCluster File Systemsで開発が進められた。2007年にSunが同社を買収、その後のOracleによるSun買収(2010年)によりOracleの管理下となった。Oracleが2010年末にLustre 2系の開発を打ち切ることを発表したため、WhamcloudやOpen Scalable File Systems(OpenSFS)といった企業や団体がコミュニティベースでのサポートと開発を目指して立ち上がっていた。今回Lustreの資産などを買収したXyratexはOpenSFSのボードメンバーを務めており、Lustreベースの「ClusterStor」クラスタファイルシステム製品ラインを展開している。
Xyratexは今後の計画として、コミュニティ主導での開発をサポートし、Lustreを利用する顧客へのサポートも継続して提供するとしている。進行中の次期版(Lustre 2.4)の開発についても、コード貢献やコミュニティの主導を行っていくという。
Lustre
http://www.lustre.org/
英Xyratex
http://www.xyratex.com/