Facebookに対抗する分散型SNS「Diaspora」、コミュニティベースでのプロジェクトに

 分散型ソーシャルネットワークシステム「Diaspora」の創業者らが8月27日、新しい開発方針としてDiasporaをコミュニティプロジェクトとすることを発表した。これまでプロジェクトを進めてきた創業者らは引き続きプロジェクトに参加するが、今後プロジェクトの運営はコミュニティに委ねる方針となる。

 Diasporaはニューヨーク大学の学生4人が2010年に立ち上げた分散型ソーシャルネットワークプロジェクト。FacebookやTwitterといった一般的なSNSとは異なり、ユーザーの情報が個別のサーバーに分散して保存されるのが特徴。ソースコードはオープンソースライセンス(AGPLv3)で公開されている。他人が運営しているサーバーに自分のアカウントを作成して利用するだけでなく、自分でサーバーを立ち上げてDiasporaネットワークに接続させることが可能で、「データを他人のサーバーに保存せずに利用できる」ことがアピールされている。資金調達サイトKickstarterで行ったキャンペーンでは目標額の20倍となる20万ドルの調達を達成している。

 創業者らによると、Diasporaは数百単位でインストールされており、ユーザー数は数千人に拡大しているという。開発面でも数百人の開発者が参加しており、GitHubでも最大級のプロジェクトの1つになっているとのことだ。また、対応言語も約50種類と豊富。創業者らはこのようにプロジェクトが大きくなったことを受けて、今後Diasporaのコントロールをコミュニティに移管するとしている。また、フリーソフトウェアのプロジェクトとしてプロジェクトの将来についての決定をコミュニティが行うことはメリットが大きく、コミュニティプロジェクトへの移管によりこのメリットを実現できる、とも付記している。

 これまで開発を進めてきた創業者らは今後もコミュニティに残り、共同で開発や意思決定を行っていくとしている。なお、Diasporaは7月にイメージ共有ツール「Makr.io」を発表しており、こちらにも注力していく模様。

The Diaspora Project
http://diasporaproject.org/

Diasporaのリポジトリ
htts://github.com/diaspora/diaspora