JavaScriptフレームワークPrototype、1年半ぶりの最新版となるバージョン1.7.1がリリースされる
8月8日、JavaScriptフレームワーク「Prototype」の最新安定版「Prototype 1.7.1」が公開された。DOMライブラリのリライトや、これによるパフォーマンス改善などが特徴となる。
PrototypeはWebアプリケーション開発のためのJavaScriptフレームワーク。クラス主導型の開発を支援するツールキットやAjaxライブラリなどから構成される。米Apple、米航空宇宙局(NASA)などが利用している。ライセンスはMIT License。
Prototype 1.7.1は、2010年11月にリリースされたバージョン1.7以来のリリースとなる。リリースに約1年半を要した理由について、Andrew Dupont氏は開発に定期的に関わっている開発者は自分しかいないと述べ、その結果として開発のペースが遅くなっていると説明している。同時に、プロジェクトが死んだわけではない点も強調している。
変更点としては、dom.jsモジュールのリライトが挙げられている。これにより、Prototypeを構成しているほかのライブラリとの整合性が向上し、また旧バージョンで起こっていたInternet Explorer(IE)でのメモリリーク問題が解消されるという。updateやremoveをはじめ多数のDOM関連メソッドのパフォーマンスも改善するとしている。
ECMAScript 5(ES5)との互換性改善のため、mapやsome、every、filterといった一部のArrayメソッドも書き直された。これにより、ES5をネイティブでサポートしないブラウザ向けに代替物を提供する役割も果たせるとしている。これらに加えて、Element.setOpacityのバグなど複数のバグも修正されている。
Prototype 1.7.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Prototype
http://www.prototypejs.org/