独断と偏見によるInterop Tokyo 2012ミニフォトレポート

 2012年6月13日から15日にかけて、千葉・幕張メッセで日本最大規模のネットワーク関連展示会「Interop Tokyo 2012」が開催されている。展示物はハードウェアやソリューションが中心で弊誌とはやや専門分野が離れているが、そのなかで弊誌記者が興味を持ったものを独断と偏見で紹介しよう。

 Interop Tokyo 2012はネットワーク関連技術やサービスを扱う企業や団体が参加する展示会だ。ネットワーク関連としては国内で最大規模の展示会となる。出展者はシスコシステムズや富士通といった大手からベンチャーまで多岐にわたる。

写真1 Interop Tokyo 2012・ホール5の様子
写真1 Interop Tokyo 2012・ホール5の様子

 Interop Tokyo 2012の注力テーマとしてはクラウドコンピューティングやユニファイドコミュニケーション、ビッグデータ、IPv6、セキュリティ、仮想化などが挙げられているが、特にハードウェアベンダーを中心にプッシュされていたのがOpenFlowだ。会場には「OpenFlow ShowCase」が用意されており、関連ハードウェアが稼働した状態で展示されている。

写真2 「OpenFlow ShowCase」で展示されているハードウェア
写真2 「OpenFlow ShowCase」で展示されているハードウェア

 ネットワーク関連の展示会ということで、会場内には「ShowNet」と呼ばれるネットワークが構築されている。ShowNetは出展者が提供する最新鋭の機器で構成されており、さらに稼働中のネットワークハードウェアは来場者から見える形で設置されている。これらの構成について出展者にその場で質問することも可能だ。

写真3 「ShowNet」を構成する機器は、来場者から見える形で設置されている。提供ベンダーの手書きコメントも面白い
写真3 「ShowNet」を構成する機器は、来場者から見える形で設置されている。提供ベンダーの手書きコメントも面白い

 会場内では各メーカーが主催するセミナーブースも用意されている。特に大手メーカーが集まるホール4では、至るところでセミナーが開催されており活況を呈している。

写真4 大手メーカーが集まるホール4。セミナーブースも多く、盛り上がっていた
写真4 大手メーカーが集まるホール4。セミナーブースも多く、盛り上がっていた

 Interopにはカスペルスキーやマカフィーといったセキュリティ企業も出展している。ネットエージェントは標的型攻撃を実際に行うというデモンストレーションを行っており、人を集めていた。

写真5 ネットエージェントの標的型攻撃デモンストレーションには人だかりができていた
写真5 ネットエージェントの標的型攻撃デモンストレーションには人だかりができていた

ソリューションでは「BYOD」が注目される

 会場内の各所でプッシュされていたキーワードの1つが「BYOD(Bring Your Own Device)」だ。BYODとは従業員が私物のスマートフォンやノートPCといった情報機器を企業に持ち込んで使用することを指した言葉だ。近年スマートフォンが一般にも普及するようになり、それらを活用する手段として急激に注目を浴びている。

写真6 「BYOD」というキーワードを全面に押し出しているソリトンシステムズブース
写真6 「BYOD」というキーワードを全面に押し出しているソリトンシステムズブース

 Interopには大手メーカーだけでなく、小規模なベンチャー企業も多く出店している。このようなベンチャー企業が集まるベンチャーパビリオンではユニークな展示も多く見られる。

写真7 ベンチャー企業のブースが集まるベンチャーパビリオン
写真7 ベンチャー企業のブースが集まるベンチャーパビリオン

 Interopはネットワーク関連の展示会であるが、オープンソース関連のソリューションを提供する企業もブースを出している。その1つがオープンソースのアクセス解析ツール「Piwik」を提供するタイキだ。Piwikは海外の開発者が中心となって開発しているソフトウェアだが、同社はPiwik開発チームと協力し日本での知名度向上や普及を図っているという。

写真8 オープンソースのアクセス解析ツール「Piwik」
写真8 オープンソースのアクセス解析ツール「Piwik」

 また、超小型Linuxサーバー「OpenBlocks」を開発・発売しているぷらっとホームブースでは、OpenBlocksの新モデル「OpenBlocks AX3」が展示されていた。ARM系のCPUを搭載、低価格PCサーバーに匹敵する性能を持つという。

写真9 OpenBlocksの新モデルを展示するぷらっとホームブース
写真9 OpenBlocksの新モデルを展示するぷらっとホームブース

 Interop恒例のオライリーによる展示即売ブースでは同社の書籍を10%OFF+消費税分サービスで購入できるほか、5,000円以上の購入でTシャツを、1万円以上の購入でTシャツとトートバッグがプレゼントされる。

写真10 恒例となっているオライリーの展示即売ブース
写真10 恒例となっているオライリーの展示即売ブース

 放送関連の展示を行う「Interop Media Convergence(IMC)Tokyo 2012」や、デジタルサイネージ関連の展示を行う「デジタルサイネージジャパン2012」も併催されており、それぞれの会場は自由に行き来できる。IMC Tokyo 2012関連ブースでは放送局各社がブースを出し、最新の放送技術をアピールしていた。

写真11 TBSテレビではインターネットや小型端末を利用した中継システムを展示していた
写真11 TBSテレビではインターネットや小型端末を利用した中継システムを展示していた

やや毛色の異なるデジタルサイネージジャパン2012関連ブース

 ホール7はデジタルサイネージジャパン2012関連ブースが中心となっており、ほかのホールとはやや違う雰囲気だ。

写真12 デジタルサイネージジャパン2012関連ブースが多数出展しているホール7
写真12 デジタルサイネージジャパン2012関連ブースが多数出展しているホール7

 デジタルサイネージジャパンではデジタルサイネージだけでなく、後ろ側が透けて見える液晶ディスプレイや大型タッチパネルなど、ディスプレイ関連の展示物も多く出展されている。

写真13 デジタルサイネージジャパンで出展されていた、後ろ側が透けて見える液晶パネル。写真だとやや分かりにくいが、ペットボトルやオーケストラの人形は後ろ側のスペースに置かれており、その前に設置されている液晶ディスプレイに文字や映像が映し出されている
写真13 デジタルサイネージジャパンで出展されていた、後ろ側が透けて見える液晶パネル。写真だとやや分かりにくいが、ペットボトルやオーケストラの人形は後ろ側のスペースに置かれており、その前に設置されている液晶ディスプレイに文字や映像が映し出されている
写真14 218インチ相当のマルチタッチディスプレイシステム。多くの来場者から注目を浴びていた
写真14 218インチ相当のマルチタッチディスプレイシステム。多くの来場者から注目を浴びていた

 Interop Tokyo 2012では各社による展示だけでなく、無料で聴講できる基調講演・特別講演も開催されている。いまからの参加も可能なので、興味のある方はぜひ幕張メッセまで足を延ばしてみてはいかがだろうか。

写真15 「日々是ハック也」というモットーの下、会場裏でハックに励むOSDNのエンジニアチーム
写真15 「日々是ハック也」というモットーの下、会場裏でハックに励むOSDNのエンジニアチーム