「Linux Mint 13」リリース、デスクトップ環境としてGNOME 2ベースのものと3ベースのものを用意

 Linux Mint開発チームは5月23日、UbuntuベースのLinuxディストリビューション最新版「Linux Mint 13」(開発コード「Maya」)をリリースした。インターフェイスにGNOME 2ベースの「Mate」とGNOME 3ベースの「Cinnamon」の2エディションを用意、GNOMEの代替になるとしている。

 前バージョンの「Linux Mint 12」(Lisa)から6ヶ月ぶりにリリースされる最新版となる。Linux Mint 13は「Ubuntu 12.04 LTS」をベースとした長期サポート(LTS)版となり、2017年4月までサポートされる。

 Linux Mint 13ではユーザーインターフェイスとしてGNOME 2系からフォークした「Mate 1.2」と、GNOME 3のGNOME ShellおよびClutterベースの「Cinnamon 1.4」を選択できる。ともにGNOMEを置き換えるものだが、どちらも一長一短があり、Mateは生産性と安定性に優れすべてのコンピュータで動くもののGNOME 2の一部の機能が利用できず、またBluetoothサポートなどが正しく動作しない可能性があるとしている。いっぽうのCinnamonはより先進的なルック&フィールを提供するが、安定性では劣るという。またCinnamonはGPUによる3Dアクセレーションを利用しており、グラフィックカードとの互換性も完全ではないと注意している。

 新機能としては、GDM 2.20ベースのディスプレイ管理「MDM」が導入された。グラフィカルなUIを利用してディスプレイの設定ができ、イベントスクリプトもサポートする。GTK3サポート強化によりアートワークも改善した。

 デフォルトの検索エンジンは米国など8カ国(日本は含まれていない)で「Yahoo!」となった。これは収益を目的にLinux Mintが米Yahoo!と提携を結んだことによる。Linux Mintはこれまで、Duck Duck Go、Amazonと同様の提携をしており、Duck Duck GoのWebブラウザは引き続き提供されることになる。

 Linux Mint 13はプロジェクトのWebサイトより入手できる。対応アーキテクチャはx86で、256MB以上のRAM(推奨は1GB)、5GB以上のストレージ、800×600ドット以上の画面解像度などがシステム要件となっている。

Linux Mint
http://www.linuxmint.com/