UIを改善、誤削除ファイルの復元機能などが加わった「ownCloud 5.0」が公開
米ownCloudは3月14日、オープンソースのファイル同期・共有ソフトウェア「ownCloud 5 Community Edition」をリリースした。任意のサーバーでDropboxのようなオンラインストレージサービス機能を実現するソフトウェアで、ユーザーインターフェイス(UI)を改善したほか、誤って削除したファイルを復元できる新機能も加わっている。
ownCloudは、「オープンソースのDropbox」を標榜するオープンソースプロジェクト。2010年にKDEコミュニティから発足した。Dropboxなどの商用オンラインストレージサービスではサードパーティのデータセンター内にデータを格納するのに対し、ownCloudでは自分が管理しているサーバー上にデータストレージを構築できるのが特徴。各種ソフトウェとの連携機能や、プライバシーなどのデータ保護対策機能なども搭載する。現在、ユーザー数は75万人を数えるという。開発元のownCloudは商用サービスの提供も行っている。
ownCloud 5は、2012年5月に公開したバージョン4.0以来のメジャーバージョンアップとなる。新機能として、意図せずに削除したファイルやフォルダを復旧できる「Deleted Files」が新たに導入された。期限とユーザー側の設定により、古いフォルダの自動クリーンアップも可能。検索機能も強化され、全文検索技術「Apache Lucene」をベースとしたテキスト検索エンジンを導入、ファイル名に加えてコンテンツの検索も可能となった。オープンソースのウイルス対策ソフトウェアである「Clam AV」を利用したウイルス対策機能も導入されている。これにより、アップロードしたファイルがマルウェアに感染していないかをチェックできる。
UIも大きく改善された。Webナビゲーションパネルは簡素化され、ファイルのリスト表示スペースが大きく分かりやすくなった。また、画面に現在ログオン中のユーザー名が表示されるようになり、ユーザー名をクリックすることで設定やログアウトが可能となった。コンタクトリストも改善し、個々のアドレス帳ベースではなくカテゴリやグループ別に管理できるようになった。カレンダー、ブックマークなども改善されている。
性能では、ファイルキャッシュ、デスクトップクライアントとの同期、セキュリティ、暗号化、バージョン管理などが強化された。サードパーティのオンラインストレージとの統合機能も強化、バックグラウンドでの処理などを利用してDropbox、OpenStack Swift、FTP、Google Docs、Amazon S3、WebDAV、それに外部のownCloudサーバーとの連携が高速になるという。
遠隔からのアクセスや管理を可能とするREST APIの導入も行われている。サードパーティのアプリケーションのインストールや管理を行う中央のレポジトリ(owncloud.com)も改善し、最新版が公開された際に通知を行ったり、無効化したアプリケーションをサーバーから自動削除する機能などが加わった。
ownCloud 5.0コミュニティ版はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。
ownCloud
http://owncloud.org/
米ownCloud
https://owncloud.com/