FreeBSD 9.0-RELEASEリリース、 LLVMサポートや新インストーラの導入などが特徴

 FreeBSD Release Engineering Teamは1月12日、最新版となる「FreeBSD 9.0-RELEASE」をリリースした。新しいインストーラの導入やファイルシステム関連のアップデート、LLVMおよびそのCフロントエンドプロセッサであるclangの導入、powerpcアーキテクチャでのPlayStation 3サポートなどが特徴となる。

 FreeBSD 9.0-RELEASEは2011年2月に8.2-RELEASEを公開して以来、約11ヶ月ぶりにリリースされる最新の安定版となる。3回のリリース候補(RC)版を経ての公開となっている。

 改善点としては、新しいインストーラ「bsdinstall」や組み込みデバイス向けにFreeBSDの設定をシンプルにするFlattened device tree(FDT)の導入、powerpcアーキテクチャでのPlayStation 3サポート、コンパイラインフラストラクチャであるLLVMおよびそのC/C++/Objective-Cフロントエンドのclangの導入などがある。デスクトップ環境は、「GNOME 2.23.1」および「KDE SC 4.7.3」から選択できる。

 ファイルシステム関連では、ファイルシステムの一貫性を保つためのsoftupdatesジャーナリングがFast Filesystem(FFS)でサポートされたほか、ZFSバージョン28へのアップデート、Highly Available Storage(HAST)フレームワークの導入、ATA/SATAドライバでのAHCIサポート、NFSv4サポートなどがある。

 また、ユーザーレベルでのDTraceやSSHの高速化技術であるHPN-SSH(High Performance SSH)などのサポートも追加された。TCP/IPスタックでの輻輳制御対応も強化、5種類の輻輳制御アルゴリズムが実装されている。

 これらに加え、英ケンブリッジ大学のコンピュータラボで開発されたUNIX系OS向けの軽量のOSおよびサンドボックスフレームワーク「Capsicum Capability Mode」の実験的サポートも加わった。

 FreeBSD 9.0-RELEASEはamd64およびi386、ia64、powerpc、powerpc64、sparc64アーキテクチャに対応、FreeBSDのWebサイトより入手できる。

FreeBSD Project
http://www.freebsd.org/