独自の管理UIや高い拡張性を備えたVPSサービス「ServersMan@VPS Perfect」、性能や使い勝手をチェック 4ページ
ServersMan@VPS Perfectの性能をチェック
さて、ここまでServerMan@VPS Perfectの機能を紹介してきたが、VPSを利用する際にはやはりその性能が気になるところだろう。実際の利用パターンによって必要とされるスペックは異なるため一概に性能を論じることは難しいが、ここではその一指標として、いくつかのベンチマークテストを実行してその性能をチェックしてみた。なお、下記のベンチマークテストでは特に断りがない限り、ServersMan@VPS Perfectの基本スペック(1仮想CPU、メモリ1GB)で、OSとしてはCentOSの32ビットを選択して作成した仮想マシンを使用している。
GeekbenchによるCPU性能チェック
まずはCPUの処理性能を見てみよう。ベンチマークで利用したのは、マルチプラットフォームのベンチマークツール「Geekbench」である。使用したバージョンは2.1.13だ。
ベンチマーク結果であるが、下記のようなスコアとなった(表6)。
項目 | スコア |
---|---|
Integer Score | 2129 |
Floating Point Score | 4150 |
Memory Score | 4441 |
Stream Score | 5021 |
Overall Geekbench Score | 3587 |
ここで「Overall Geekbench Score」というのがトータルのスコアとなる。Geekbenchを提供するPrimate LabsのWebサイトにWindows環境におけるCPU別のスコア一覧が用意されているが、それを見ると「Core 2 Quad Q9000(2GHz)」と同程度の結果に相当するようだ。
今回テストに使用した環境では、仮想マシンのCPUはXeon L5640(2.27GHz)と認識されているが、仮想マシンのCPU性能はほぼそのスペックどおりと言えるだろう。
nuttcpによるネットワーク転送速度チェック
次に、ネットワークの転送速度をチェックしてみよう。テストツールとしてはnuttcpを使用した。nuttcpについては、ネットワークのベンチマーク・ツールを試す – nepim、LMbench、nuttcpという記事で紹介しているので、詳細についてはそちらを参照していただきたい。使用したnuttcpのバージョンは6.1.2である。
テストではVPS側をサーバー、ローカルのLinuxマシンをクライアントとしてnuttcpを実行した。テストはデフォルト設定で行い、毎秒あたりの転送速度と、10秒間で転送できたデータ量から計算した転送速度を求めている。実行結果は次のとおりである。
$ nuttcp -B -i1 **.***.**.19 クライアント→サーバー間の通信速度(上り通信速度)を測定 7.2500 MB / 1.00 sec = 60.7625 Mbps 0 retrans 7.5625 MB / 1.00 sec = 63.4349 Mbps 0 retrans 7.0000 MB / 1.00 sec = 58.7168 Mbps 0 retrans 7.3750 MB / 1.00 sec = 61.8621 Mbps 0 retrans 7.6875 MB / 1.00 sec = 64.4817 Mbps 0 retrans 7.5000 MB / 1.00 sec = 62.9120 Mbps 0 retrans 7.5625 MB / 1.00 sec = 63.4351 Mbps 0 retrans 7.6250 MB / 1.00 sec = 63.9589 Mbps 0 retrans 7.0000 MB / 1.00 sec = 58.7164 Mbps 0 retrans 7.3750 MB / 1.00 sec = 61.8624 Mbps 0 retrans 74.5000 MB / 10.09 sec = 61.9663 Mbps 0 %TX 0 %RX 0 retrans 10.03 msRTT $ nuttcp -D -i1 **.***.**.19 サーバー→クライアント間の通信速度(下り通信速度)を測定 4.8125 MB / 1.00 sec = 40.2970 Mbps 0 retrans 7.1875 MB / 1.00 sec = 60.2905 Mbps 0 retrans 7.1875 MB / 1.00 sec = 60.2891 Mbps 0 retrans 8.0625 MB / 1.00 sec = 67.6293 Mbps 0 retrans 7.5625 MB / 1.00 sec = 63.4342 Mbps 0 retrans 7.3750 MB / 1.00 sec = 61.8625 Mbps 0 retrans 7.1250 MB / 1.00 sec = 59.7652 Mbps 0 retrans 7.0000 MB / 1.00 sec = 58.7166 Mbps 0 retrans 7.6875 MB / 1.00 sec = 64.4833 Mbps 0 retrans 7.4375 MB / 1.00 sec = 62.3854 Mbps 0 retrans 72.6250 MB / 10.16 sec = 59.9445 Mbps 0 %TX 0 %RX 0 retrans 9.01 msRTT
転送速度はややブレがあるものの、上り/下りともにおおむね60Mbps前後という結果となった。遅延(RTT)については10ミリ秒程度で、一般的な環境ではほとんど無視できるレベルだろう。
ストレージの転送速度チェック
最後に、ストレージの転送速度をチェックしてみよう。まず、hdparmコマンドの「-t」オプションを用いてデバイスの読み込み速度をチェックしてみた。仮想マシンのOSとしてCentOSを選択した場合、ストレージには/dev/xvdaが割り当てられる。これに対し、10回の読み込みテストを実行した結果が下記である。
# for i in $(seq 1 10);do /sbin/hdparm -t /dev/xvda ;done /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 16 MB in 3.77 seconds = 4.25 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 98 MB in 3.04 seconds = 32.22 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 114 MB in 3.19 seconds = 35.70 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 114 MB in 3.14 seconds = 36.26 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 104 MB in 3.09 seconds = 33.63 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 106 MB in 3.10 seconds = 34.24 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 10 MB in 3.09 seconds = 3.23 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 114 MB in 3.43 seconds = 33.19 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 108 MB in 3.00 seconds = 35.99 MB/sec /dev/xvda: Timing buffered disk reads: 128 MB in 3.03 seconds = 42.19 MB/sec
結果としてはおおむね30~40MB/秒、といったものだが、ときどき転送速度が大きく遅くなることがあるのが気になるところである。
また、dbenchを用いたベンチマークも行ってみた。dbenchはストレージのスループットを測定するベンチマークツールで、対象とするストレージに対しさまざまなファイル操作を行ってそのスループットを測定するものだ。dbenchでは複数のプロセスから同時にストレージアクセスが発生する状況をシミュレートできるが、ここでは1および6、12プロセスでのテストを行った。それぞれ3回のテストを行い、その平均をテスト結果としている。使用したdbenchのバージョンは4.0である。
dbenchのテスト結果は以下のようになった(表7)。おおむね60MB/秒という結果である。
同時アクセスプロセス数 | 1 | 6 | 12 |
---|---|---|---|
1回目 | 56.6 | 61.4 | 63.5 |
2回目 | 57.4 | 65.8 | 62.5 |
3回目 | 57.6 | 61.7 | 61.5 |
平均 | 57.2 | 62.9 | 62.5 |
性能としては必要十分、複数台の仮想マシンを利用する際に真価を発揮
さて、CPU、ネットワーク、ストレージとベンチマークを行ったが、結果としてはどれも一般的なWebサービスなどを運用するのに十分なレベルと言えるだろう。アクセスが非常に多いWebサイトを運営したり、負荷の高いWebアプリケーションを利用する場合単体ではやや不安があるかもしれないが、その場合は複数の仮想マシンを利用し、ロードバランサー機能を利用して負荷分散を行うことで対応できる。
管理用のGUIコンソールも分かりやすく、仮想マシンの作成やクローンといった処理も、試した限りでは比較的短時間(数分程度)で行えた。迅速に環境の構築が行えるため、開発やテスト用のサーバーとしての利用にも適しているだろう。
また、今後機能強化としてバックアップ/リストア機能や、負荷に応じて自動的に仮想マシンを追加/削除するオートスケールアップ/オートスケールアウト機能の対応など、使い勝手をさらに向上させるアップデートが予定されている。クラウドサービスのように「使っただけ料金を支払う」というわけではないが、より柔軟な構成変更が可能になるため期待したいところだ。
なお、ServersMan@VPS Perfectでは現在キャンペーンとして、基本スペック(1仮想CPU、メモリ1GB)の料金が最大1か月無料となっている(ただし、過去にServersMan@VPSの無料キャンペーンを利用していないユーザーに限る)。最低利用期間などの縛りはないため、興味のある方はまずは試してみてはいかがだろうか。
・ServersMan@VPS Perfect
http://dream.jp/vps/perfect/index.html
・ServersMan@VPS Perfectキャンペーンページ
http://dream.jp/vps/perfect/campaign.html