米Digium、オープンソースPBXの「Asterisk 10」を公開

 米Digiumは10月27日(米国時間)、オープンソースのIP電話構内交換機(IP-PBX)システム「Asterisk 10(1.10)」を公開した。広帯域向けのメディアエンジンが刷新され、「スタジオ品質」という高音質な音声サポートを提供、さらに多数のコーデックをサポートするという。Skypeのコーデックにも対応する。

 Asteriskは「IP-PBX」と呼ばれる、構内電話交換システムを構築するためのソフトウェア。オープンソースで開発されており、GPL v2で提供されている。プロジェクトは12年前に発足、2010年だけで200万件以上のダウンロードがあったという。開発元のDigiumがスポンサーとなり、プロジェクトの運営とメンテナンスが続けられている。Digiumは、開発者が音声や動画を含むリアルタイムコミュニケーションアプリケーションを構築できる「Asterisk Scalable Communications Framework(SCF)」の取り組みも進めている。

 Asterisk 10ではメディアエンジンが刷新された。従来8kHzおよび16kHzのみ対応していた音声サンプリング周波数が192kHzまで対応するようになり、また音声コーデックとしてSkypeの「SILK」、32kHzのSpeex、CELT(パススルーのみ)にも対応、事実上すべてのオーディオタイプをサポートするという。

 電話会議機能は、これまでの「MeetMe」に代わって、HD対応の「ConfBridge」が導入された。すべてのコーデックに対応し、OSやハードウェアを問わず、あらゆるAsterisk 10のシステムで動くという。このほか、FAX、テキストメッセージルーティングなども強化された。

Asterisk 10はAsteriskプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

米Digium
http://www.digium.com/

Asterisk.org
http://www.asterisk.org/