組み込みLinux開発支援ツールを開発するYocto Project、バージョン1.1を公開
The Linux Foundationは10月26日(チェコ時間)、傘下の組み込みLinux開発支援プロジェクトYocto Projectが最新版「Yocto 1.1」をリリースしたことを発表した。また、「Embedded GNU C Library」(EGLIBC)をホスティングすることも発表した。
Yocto ProjectはLinux Foundationが2010年10月に発足させたワーキンググループ。組み込み用のカスタムLinux環境を構築するためのテンプレートやツールなどを提供するプロジェクトで、ARMやMIPSなどさまざまなハードウェアアーキテクチャに対応する。2011年3月には組み込みLinuxの業界団体OpenEmbeddedとの連携が発表されており、4月に初の正式版を公開している。
Yocto 1.1は、Linuxカーネル3.0およびGCC 4.6.1をベースとする。Yoctoにはさまざまなツールが含まれているが、1.1では新たに「Multi-lib」や「Hob」といったライブラリやツールが新たな追加された。
Multi-libは複数アーキテクチャのバイナリを1つの環境に混在させられる機構。たとえば64ビットのシステム上で32ビットのバイナリを実行させる、といったことが可能になる。また、Hobは開発コード「Edison」として開発されていた機能で、ターゲットアーキテクチャの選択や、イメージ/レイヤの組み合わせ、パッケージの選択や削除といったビルドプロセスを支援するGUIツール。また、カスタマイズを加えるレイヤの開発や統合を容易にする「Layer Tooling」も加わった。
新たにLinux Foundationによるホスティングが決定したEGLIBCは、米Mentor Graphicsが立ち上げたGNU C Libray(glibs)の派生。Mentorのほか、米MIPS Technologies、米Wind River、米MontaVista Softwareなども参加している。組み込み開発向けに最適化されており、Linux Foundationの下となることで組み込みLinux開発ツールの共通化が図れるという。
The Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/
The Yocto Project
http://www.yoctoproject.org/