Pythonで実装されたPython処理系「PyPy 1.6」リリース、Python 2.7.1相当の機能を実装

 PyPy開発チームは8月18日、「PyPy 1.6」をリリースした。Python 2.7.1相当の機能をフル実装し、またコードのコンパイル過程を確認できるWebベースツール「JitViewer」も新たに追加されている。

 PyPyはPythonで作成されたPython処理系。C言語で記述された標準的実装であるCPythonをそのまま置き換えられる実装を目指しており、ライセンスはMIT License。

 PyPy 1.6では2010年11月に公開されたPython 2.7.1相当の機能がフルで実装された。また、JITでコンパイルされたPythonコードを把握するためのJitViewerも導入されている。CPython拡張モジュールAPIも強化され、対応する拡張を増やした。Pythonの拡張モジュール「Numpy」の実験的サポートも加わっている。このほか、53種類のバグを修正した。

 すでに前バージョンであるPyPy 1.5ではPyPy開発チームによるベンチマークテストにおいてCPythonよりも高速という結果を得ていたが、PyPy 1.6ではガベージコレクタの改善やJITのウォームアップ時間短縮などの強化により、PyPy 1.5と比較して20~30%の高速化に成功。また安定性も強化されているという。

 PyPy 1.6ではLinux(32ビットおよび64ビット)とMac OS X(64ビット)向けバイナリおよびソースコードが提供されている。Windows(32ビット)向けはベータ段階とのことだが、現在はまだ公開されていない。

PyPy
http://pypy.org/

ダウンロード
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