米Red HatがリアルタイムOS「Red Hat MRG 2.0」発表、パフォーマンスやスケーラビリティを向上
米Red Hatは6月23日(米国時間)、Red Hat Enterprise LinuxベースのリアルタイムOS製品「Red Hat Enterprise MRG 2.0」を発表した。Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.1をベースに、リアルタイムカーネルやチューニングツールなどを搭載する。
Red Hat Enterprise MRGは、メッセージング(M)、リアルタイム(R)、グリッド(G)の3コンポーネントを持つリアルタイムOS。高スループット・低遅延のメッセージング、クラウドや分散環境向けの高性能のグリッドスケジューラーなどを特徴とする。金融サービス分野など、遅延が許されないアプリケーション分野での利用が見込まれている。
Red Hat Enterprise MRG 2.0では、ベースとなるLinux環境がRHEL 6.1ベースにアップデートされ、パフォーマンスも向上した。ハードウェアサポートも強化され、RDMA(Remote Direct Memory Access) InfinibandやiWarp 10G Ethernetなど向けには最適化された新ドライバが導入されている。
グリッド関連では、「単一のスケジューラで毎秒100ジョブ以上の処理が可能」というスケジューラの性能強化が行われた。これによりスケーラビリティが向上し、低価格でのクラウド実装に必要な拡張性を提供できるという。なお、Enterprise MRGはRed Hatが5月に発表したPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「OpenShift Platform」の土台レイヤとなるなど、クラウド戦略で重要な技術となっている。
そのほか、QMF管理コンソールやメッセージング関連設定、グリッドのモニタリング・診断機能なども強化されている。管理の自動化やほかの管理ツールとの統合に利用できるAPIも提供されているる。
米Red Hat
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